996型911の個性的レストモッド ポルシェ、クラシカルなワンオフ車両公開

公開 : 2022.03.23 06:05  更新 : 2022.04.14 16:58

996型911をベースとしたワンオフのレストモッド車両が公開。クラシカルな車体に最新技術を導入しました。

996ベース ワンオフのレストモッド

ポルシェは、米国最大のポルシェクラブ向けに作られたワンオフ車両「911クラシック・クラブ・クーペ」を公開した。

バージニア州で入手した996世代の911カレラをベースに制作されたもので、ドイツ・シュトゥットガルトでレストモッドを受け、ボディシェルの再構築と強化が施されている。

ポルシェ911クラシック・クラブ・クーペ
ポルシェ911クラシック・クラブ・クーペ    ポルシェ

2年にわたる作業期間中、さまざまな新要素が追加された。例えば、背の高いドライバーが車内でヘルメットを着用できるように、特注のダブルドームルーフを採用。ハンドメイドのダックテールスポイラーは、名車911カレラRS 2.7へのオマージュだ。

18インチのフックス製鍛造アルミホイールを装着し、ポルシェクラブ・アメリカのシンボルカラーであるクラブブルーで細部をペイントした。

3.6Lフラット6で最高出力381ps

パワートレインは、996型911 GT3用の3.6Lフラット6に換装され、最高出力381psを発生する。マニュアル・トランスミッション、強化シャシー、ブレーキも911 GT3から流用されている。

ボディは、2009年に発売された911スポーツ・クラシックをイメージしたスポーツグレーメタリックにペイントされている。ライトスポーツグレーのストライプがボディ上部を走り、細部はクラブブルーで仕上げられている。

ポルシェ911クラシック・クラブ・クーペ
ポルシェ911クラシック・クラブ・クーペ    ポルシェ

インテリアではブラックレザーをメインに使用し、シートは千鳥柄となっている。インフォテインメント・システムとして、ポルシェ・クラシックのコミュニケーション・マネジメント・プラスを搭載し、アップル・カープレイとアンドロイド・オートの接続が可能だ。ダイヤル、ステアリングホイールのリム、ヘッドレストなど、随所にクラブブルーが添えられている。

世界に1台、でも珍しくテスト車両も制作

開発中、911クラシック・クラブ・クーペは機密のために「プロジェクト・グレー」と呼ばれていたが、これは2018年の911プロジェクト・ゴールドに基づくニックネームだ。

ワンオフ車両としては珍しく、テスト車両も作られた。イタリアのナルド・サーキット、スペインのイディアダ試験場、ドイツ・ヴァイザッハにあるポルシェのサーキットで試乗した後、完成車の個性を保つために解体されたのだという。

ポルシェ911クラシック・クラブ・クーペ
ポルシェ911クラシック・クラブ・クーペ    ポルシェ

ポルシェ・クラシックの責任者であるアレクサンダー・ファビグは、次のように述べている。

「996型は、911シリーズの中で不当に影が薄い存在です。だからこそ、ポルシェ・クラシックとソンダーバーシュ(Sonderwunsch)プログラムでできることを実演するにあたり、このモデルを選べたのは喜ばしい限りです」

「2009年、250台限定で発売された『911スポーツクラシック』は、世界中で話題を呼びましたが、米国では販売されていませんでした。今回のワンオフにより、同じようにエキサイティングな車両コンセプトを米国でも実現することができました」

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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