ピニンファリーナの美しいデザイン 35選 大衆車からスーパーカーまで

公開 : 2022.03.26 06:05

1969年:フェラーリ512 S

最もエキサイティングなコンセプトカーの1つである512 Sは、ウェッジシェイプを大胆に取り入れたプロファイルを持つ。1969年のトリノ・モーターショーで発表された512 Sは、カンナム(カナダと米国で行われたレース)マシンの6.0L V12シリンダーブロックを搭載していた。

1969年:フェラーリ 512 S
1969年:フェラーリ 512 S

1970年:モデューロ

コンセプトカーといえば奇抜なものばかりだったこの時代、現実世界とは無縁のデザインが多く登場した。1968年のカンナムマシンのシャシーをベースに、最高出力558psの5.0L V12を搭載し、最高速度350km/hを達成すると謳われた。そのような速度で走るのは、さぞ恐ろしいことだっただろう。

1970年:モデューロ
1970年:モデューロ

1971年:プジョー504リビエラ

プジョー504はすでに紹介したが、この生粋のシューティングブレークは個別に評価されるべきだろう。1971年にジュネーブで発表された504クーペベースのリビエラは、スペインのコレクターの手に渡っていると噂されるワンオフモデルだ。

1971年:プジョー504リビエラ
1971年:プジョー504リビエラ

1971年:フェラーリ・ベルリネッタ・ボクサー

ベルリネッタ・ボクサーは、1971年のトリノ・モーターショーで4.4LのBB 365として初公開されたが、最初の生産車が納車されるまでにはさらに2年の月日が必要だった。1976年には排気量を4.9Lに拡大し、512 BBと改名。1981年にはボッシュ製の燃料噴射装置が搭載され、512 Bbiとなった。

1971年:フェラーリ・ベルリネッタ・ボクサー
1971年:フェラーリ・ベルリネッタ・ボクサー

1974年:CR25

1974年にトリノでデビューしたCR25は、エアロダイナミクスを追求したモデルであった。空気抵抗係数0.256を誇り、窓の後ろにエアブレーキを装備し、フロントバンパーはスポイラーを兼ねるなどユニークな設計となっている。パワートレインはボクサーエンジン(理論上)を搭載するが、実際に走行することはなかった。

1974年:CR 25
1974年:CR 25

1974年:フィアット130マレンマ

クーペのフィアット130はピニンファリーナがデザインしたものだが、この「マレンマ」と呼ばれるシューティングブレークも同様である。504リビエラと同じく、マレンマもまた、製品化されるべきだったデザインスタディだ。

しかし、フィアットはこれに関心を示さず、わずか3台しか作られなかった。そのうちの1台は、必然的にフィアットの大物ジャンニ・アニェッリの手に渡ることになった。

1974年:フィアット130マレンマ
1974年:フィアット130マレンマ

1976年:ランチア・ガンマ

ハッチバックのシルエットを持つ、やや野暮ったいセダンとして登場したガンマだが、魅力的なクーペも用意されていた。どちらもピニンファリーナがデザインを担当したものだが、ステアリングをフルロックにするとカムベルトが切れてエンジンが停止するという、信頼性に欠ける仕様であった。

1976年:ランチア・ガンマ
1976年:ランチア・ガンマ

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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