100kWhと652psで欧州へ上陸 ニオET7 プレミア・エディションへ試乗 ライダーも搭載
公開 : 2022.04.10 08:25
スポーツ+でも乗り心地は乱れない
観察はこのくらいにして、運転してみよう。ドライブモードでスポーツ+を選択すると、ステアリングホイールの重みが増し、サスペンションが引き締まり、最大の加速力を引き出せるようになる。
それでも、エアサスペンションとアダプティブダンパーが備わり、ET7の乗り心地が乱れることはない。ほかにもスポーツ、コンフォート、エコの3モードのほかに、個別の設定を登録できるカスタム・モードも用意されている。
システムは無線でのアップデートにも対応。スノーやサンドとといった、悪条件用のモードも追加されるかもしれない。
スポーツ+を選ばない限り、ステアリングホイールはかなり軽い。あまりにも簡単に回せるから、逆に扱いにくいと感じる場面もありそうだ。
日常的な条件で走っている限り、ET7を動かすのはフロント・モーター。リア・モニターの方がパワフルだが、明確な加速時やフロントタイヤだけではトラクションを充分に確保できない場面以外、基本的には仕事をしない。
回生ブレーキの強さは調整できるものの、スタンダードと表記されたものが最強。それでも、現代の純EVとしては効きが弱い。アクセルペダルだけで発進から停止までをまかなえる、ワンペダル・ドライブは想定されていないようだ。
セミソリッド・バッテリーも準備中
ニオとして独自性の高いサービスが、自社の拠点で駆動用バッテリーを丸ごと交換できるというもの。数分の作業で、長距離を移動可能な電力を得ることができる。
ET7の発売開始までに、150kWhという大容量のセミ・ソリッドステート・バッテリーも利用可能になるという。現在の駆動用バッテリーの容量は100kWhで、航続距離は中国の試験値、CLTC値で705kmがうたわれている。これも、大幅に増えることになる。
ドイツ御三家に匹敵する質感を備えるインテリアの仕立ては、ニオET7の強みといえる。航続距離の数字にも目が奪われる。ライダーを用いた運転支援システムは、今回試すことが許されなかったが、機能すれば注目を集めることになるだろう。
ニオの担当者は、2025年までに25か国へ販売拠点を増やす計画だといい、英国もその1つに含まれている。このET7も、その先鋒を務めるモデルの1台になる。日本進出も、噂されているようだ。
ニオET7 プレミア・エディション(中国仕様)のスペック
中国価格:52万6000元(約994万円)
全長:5097mm
全幅:1986mm
全高:1506mm
最高速度:199km/h
0-100km/h加速:3.8秒
航続距離:705km(CLTC値)
電費:7.0km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:2349kg
パワートレイン:AC永久磁石モーター(フロント)+AC誘導モーター(リア)
バッテリー:100kWhリチウムイオン
最高出力:652ps
最大トルク:76.4kg-m
ギアボックス:−