大きく拡張された動的能力の幅

2代目GLCは電動パワーステアリングを採用し、ステアリングホイールの反応はダイレクトで、不足ない情報量が伝わってきていた。フロントノーズが流れるように反応し、俊敏性も新次元といっていいだろう。

後輪操舵システムのおかげで、低速域で機敏な身のこなしを実現させつつ、高速域では安定性を高め、リラックスした運転に浸っていられることも特長。GLCの動的能力の幅は、大きく拡張されたようだ。

試乗車には、標準設定のスチールコイル・サスペンションにアダプティブダンパーが組まれていた。コンフォート・モードを選ぶと、路面からの入力を巧みに吸収し、乗り心地はしなやかに感じられた。

実際の舗装路で改めて確かめてみたいところだが、ロードノイズは小さく、快適だったことは間違いない。剛性の高められたプラットフォームと、アダプティブダンパーのより迅速な反応が、功を奏していると思われる。

2代目メルセデス・ベンツGLCは、車高のかさむSUVでありながら、直感的で運転しやすい。従来以上に、幅広いユーザーの共感を得ることは想像に難くない。競争力をより高めた新世代が、登場することになるだろう。

量産仕様を実際の公道で運転するまで、具体的な評価はお預けではある。それでも、新しいGLCがこのクラスをリードできるモデルになるであろうことは、想像に難くない。既に、その片鱗はしっかり表れている。

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