この見た目でナンバー付き! プロドライブ・ハンターへ試乗 ダカール・マシンを公道で 前編

公開 : 2022.04.03 08:25

フォードGTと同じ3.5L V6ツインターボ

スタートからゴールまでは、13日間。約4000kmのスペシャルステージを、可能な限り速く突っ走る。リエゾンルートも、4000km以上ある。勝つためには、最適化されたラリーマシンが必要になる。

プロドライブがそこへ持ち込んだのが、バーレーン・レイド・エクストリーム(BRX)・ハンターT1+。スチール製のチューブラー・シャシー構造だが、実際のところカーボンファイバー製タブに、スチール製サブフレームが組まれた状態に近い。

プロドライブ・ハンター・公道仕様プロトタイプ
プロドライブ・ハンター・公道仕様プロトタイプ

この公道仕様でも製造品質は極めて高く、パネル類のフィッティングは完璧。細かい砂が車内へ侵入するのを防ぐ目的がある。

サスペンションは、前後ともにダブルウイッシュボーン式。コイルオーバーのダンパーが、各タイヤに2本づつ取り付けられている。アンチロールバーも備わる。

リアまわりのシルエットからミドシップを想像するかもしれないが、エンジンはフロント。柔軟に曲がる軽量なボンネットを取り外すと、巨大なインタークーラーが姿を現した。

それに隠れるエンジンは、フォード社製の3.5L V6ツインターボ。フォードGTにも採用されるユニットで、市販版ハンターの最高出力は558psある。車両の中央へ寄せるため、キャビン部分へ食い込むように搭載されている。

ワークス体制のラリーマシンでは、400ps前後しか発揮できていない。本番のラリーでは、ブースト圧が制限されるためだ。

この続きは後編にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    英国編集部エディター・アト・ラージ
  • 撮影

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

この見た目でナンバー付き! プロドライブ・ハンターへ試乗 ダカール・マシンを公道での前後関係

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