当時最高の空力性能 ヴォグゾール(オペル)・カリブラ 英国版クラシック・ガイド 前編

公開 : 2022.04.10 07:05

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カリブラを10年ほど前に購入した、根っからのクルマ好きのクリス・ブルッカー氏。妻の影響を受け、決断に至ったという。「妻のフェネラは、16年間もV6エンジンのカリブラに乗っていたんです。彼女の最初の愛車は、オペル・マンタでした」

「ガレージには、アルファ・ロメオ・スパイダーも納まっていますが、日常的に乗っているのはカリブラのSE2。V6エンジンのカリブラはラジエターが故障して、現在は動きません。部品待ちの状態ですが、かなりのモノが入手困難なんです」

ヴォグゾール(オペル)・カリブラ(1990〜1998年/英国仕様)
ヴォグゾール(オペル)・カリブラ(1990〜1998年/英国仕様)

「SE2は、以前は年配の女性が乗っていたカリブラで、何年間もガレージで眠っていました。別の人が部品取りとして購入したものの、バラすには状態が良すぎるということで、わたしが850ポンドで入手しました」

「テールゲートとサンルーフ、フロントガラス下部のドレインホールは、定期的な掃除が不可欠。シリンダーヘッドはヒビが入り、一度交換しています」

「現在、英国で生き抜いているSE2のカリブラは、10台くらい。色があせていたので再塗装していますが、サビはリアフェンダー付近に少し見られた程度でした。フェイスリフト前のクルマは、かなり希少になりましたね」

英国で掘り出し物を発見

ヴォグゾール(オペル)・カリブラ 2.0i 16V SE8

登録:1997年 走行:27万3000km 価格:2999ポンド(約48万円)

カーディーラーのリトル・コンプトン・ガレージ社を営むドム・スルディ氏は、個人のコレクションとしてカリブラを購入したものの、殆ど乗らないため手放すことを決めたという。直列4気筒16バルブ・エンジンのマニュアル車だ。

ヴォグゾール(オペル)・カリブラ(1997年/英国仕様)
ヴォグゾール(オペル)・カリブラ(1997年/英国仕様)

状態は最良ではないものの、悪くないと表現している。ボディには腐食に伴う気泡が若干あり、運転席はサイドボルスターが摩耗しているが、それ以外の状態は良いようだ。幾つかの整備も必要だという。

ヴォグゾール(オペル)・カリブラ 2.5 V6

登録:1998年 走行:25万5000km 価格:4000ポンド(約64万円)

現在の英国で流通しているカリブラは、直列4気筒エンジンで大幅に改造された例が多い。そんななかで、ノーマル状態のV6エンジンはとても珍しい。

2020年からの1年間はガレージに保管された状態だが、車検を受ければ走行可能。ブラックレザー内装の状態は良く、エンジンルームもきれいなようだ。レストアが施され、実用的なクーペを求めるドライバーへ売却する準備は整っているとのこと。

中古車購入時の注意点などは後編にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マルコム・マッケイ

    Malcolm Mckay

    英国編集部ライター
  • 撮影

    ジェームズ・マン

    James Mann

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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