揺るがない類まれな運転体験 マクラーレンGT(2) 長期テスト 高速燃費11.0km/L

公開 : 2022.04.02 09:45

最高出力620psのグランドツアラー、マクラーレンGT。英国編集部が毎日の通勤に利用し、その能力を検証します。

積算1842km 高速道路の燃費は11.0km/L

長期テストマクラーレンGTが加わって、既に約1600kmを走り込んだ。そこで関心していることの1つが、優れた燃費だ。

最近は主に高速道路の走行が中心だったから、安定的にエンジンを回転させることができ、燃費が伸びたことは間違いない。それでも、2時間の運転で11.0km/Lという結果は、4.0L V8エンジンを搭載するスポーツカーとしては驚くべきもの。

マクラーレンGT ルクス(英国仕様)
マクラーレンGT ルクス(英国仕様)

ディーゼルエンジンを搭載する、大きなSUVにも引けを取らない。グランドツアラーとして、うれしい数字だといえる。

積算2925km すぐに親しくなれるGT

AUTOCAR英国編集部のスタッフで、新しいクルマを運転できる人は限られている。マクラーレンGTのように高価でパワフルなモデルの場合、詳細テストを実施するスタッフ以外は、基本的に乗ることはない。

筆者も最近まで、マクラーレンは運転したことがなかった。直近の体験は、マクラーレン・セナ。ドアハンドルが天井にあることを知らず、降りるのに5分ほど車内であれこれ格闘してしまったが。

マクラーレンGT ルクス(英国仕様)
マクラーレンGT ルクス(英国仕様)

そして、このマクラーレンGT。突然、毎日運転することになるとは。だが、すぐに親しくなることができた。

シンプルなステアリングホイール

最近は、ドアが上方に開くスーパーカーという存在にも慣れてきた。殆どが独自開発となる、上質なインテリアへ感心できる余裕も出てきた。アウディR8のインテリアは、アウディTTと、実際のところ受ける印象は大きく違わないものだ。

フォルクスワーゲンとドアミラーが同じだった、マクラーレンの時代は終わった。テールライトも自社デザインだ。といっても、極太のワイパーは別モデルからの流用だろう。最高速度に対応させるとしても、ここまで太くする必要はない。

マクラーレンGT ルクス(英国仕様)
マクラーレンGT ルクス(英国仕様)

最近のステアリングホイールには、沢山のボタンやスイッチ、タッチセンサーが並んでいることが通例。だが、マクラーレンGTのスポーク部分には、一切なにもない。ここまでシンプルなものを見たのは、最近ではいつだろうと考えてしまった。

クルーズコントロール用のレバーも、ウインカーやワイパーのレバーと同様に、ステアリングコラムから伸びている。見た目は美しいが、つい親指や人差し指で、運転中にラジオの音量などを変えようとしてしまう。

マクラーレン・オリジナルのインフォテインメント・システムは扱いやすい。ナビとエアコン、再生メディアのメニューを選べるボタンが付いている。

面白いのが、ナビの音声。英語を話すのだが、アメリカなまりなのだ。位置の測位が1/8マイル毎と、少々精度が荒い点は改良できるだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ピアス・ワード

    Piers Ward

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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