スマート・フォーツー・エレクトリックドライブ
公開 : 2012.06.15 16:50 更新 : 2017.05.29 18:43
■どんなクルマ?
2007年に最初のスマート・フォーツーのEVモデルが登場してから、今までに2つの開発フェーズを経てきた。しかし、この開発段階ではショー・ルームに並べられるようなバージョンは現れなかった。しかし2000台以上のクルマで5年間にわたってテストをしてきた結果、ようやく通常の販売が可能なフォーツー・エレクトリックドライブが登場することとなった。
その眠たくなるような0-100km/h加速26.7秒というタイムが11.5秒に改善されたことからも分かる通り、すべてにおいてこの3代目となるフォーツー・エレクトリックドライブは、そのパフォーマンスが改善されたのである。
■どんな感じ?
今までのユーザーの分析から、1日に走る平均走行距離は25マイル(40km)だから、90マイル(145km)という航続距離は十分に実用的だ。更に、ユーザーからのフィードバックで多かったのは高速性能の改善、そして充電をよりスピーディにという要求だった。
ダイムラーとボッシュとで開発されたEMモーティブと名づけられたモーターは、通常40bhp、12.3kg-mのパワー、トルクを発揮するが、エクストラ・パワーとして74bhp、13.3kg-mに上げることが可能だ。
ニッケル・コバルト・マンガン・リチウムイオン電池は、家庭用ソケットから従来の8時間から7時間で充電できるようになり、1時間の急速充電にも対応した。
このスマートをドライブすることは幸せなほど簡単で、ピストンで動くフォーツーを悩ませる頼りない変速装置がないことが、これほどまでに気持ちがいいことなのかと思うほどだ。ただし、スロットルを急激に緩めると、不意に驚くほどの減速を経験する。とりわけ、50km/hから80km/hで走っている時には、アクセルワークに慎重になる必要がある。
欠点? それは、乗り心地にムラがあることと、月間52ポンド(6,400円)という法外なバッテリー・リース料だ。
■「買い」か?
もし政府が5,000ポンド(62万円)の助成金を出すことが決定したら、10,000ポンド(122万円)とバッテリー・リース料金だけで、面白くて実用的なこのゼロ・エミッション・カーを手に入れることができることになる。現実的には、燃料を補給する必要があるものの4人が乗れてほぼ同じエミッションを持つヤリス・ハイブリッドを手に入れることもできるだろう。しかし、このスマート・フォーツー・エレクトリックドライブは、これまでで最も信頼できる純粋なEVであることには間違いがない。
(リチャード・ブレムナー)
スマート・フォーツー・エレクトリックドライブ
価格 | 15,300ポンド(188万円) |
最高速度 | 125km/h |
0-100km/h加速 | 11.5秒 |
燃費 | NA |
Co2排出量 | 0g/km |
乾燥重量 | 900kg |
エンジン | 電気モーター |
最高出力 | 最大74bhp、巡航47bhp |
最大トルク | 13.3kg-m |
ギアボックス | シングル・スピード |