これにはディーゼルが1番 ランドローバー・ディフェンダー 90(2) 長期テスト
公開 : 2022.04.03 09:45
いま最も注目度の高い英国製SUV、ディフェンダー。未踏の荒野から市街地までをカバーする実力を、長期テストで確かめます。
積算2053km 重たいスペアタイヤ
走る道を選ばないランドローバー・ディフェンダー 90だが、早速やってしまった。釘がタイヤに刺さり、スローパンクを起こしてしまった。最終的には完全にパンクし、タイヤ交換となった。ああ、残念。
フルサイズのスペアタイヤがリアに積んであったおかげで、すぐに交換して走り出すことはできた。しかし、大きなタイヤとホイールの重さはかなりのモノ。テールゲートのラックへパンクしたタイヤを戻す作業は、いい筋力テストにもなった。
積算3101km 2.2tのディフェンダーにはディーゼル
ディーゼルエンジンは、近年の欧州でも肩身が狭い。プラグイン・ハイブリッド(PHEV)だけでなく純EVも急速に台頭し、間もなく自動車史に刻まれるであろう、少数派のパワートレインになってきている。
だが長期テストのディフェンダー 90は、3.0L直列6気筒ディーゼルターボで走っている。2.2tの車重があるクルマには、ピッタリだといわざるを得ない。
とてもパワフルで洗練されていて、燃費も比較的良い。直近の数字では、平均で10.6km/L程度となっている。排出ガスは環境に悪影響を与えるとしても、厳しい試験をパスしているから、充分クリーンでもある。
PHEVの長所を得にくい四角く大柄なボディ
ディーゼルエンジンのディフェンダー 90は、多くのオーナーが望むほぼすべてを叶えてくれる。妥協を強いられる部分もゼロではないが、このモデルでガソリンエンジンやPHEVが適任といえる乗り方は、欧州では限定的だだろう。
ロンドンの郊外から中心部へ通勤するようなユーザーなら、PHEVが適しているかもしれない。ただし、短い距離でもエンジンを始動させず、駆動用モーターだけで走ることは難しい。
筆者のように、時折200kmから400kmほど移動するような乗り方では、燃費の悪化は避けられない。ディフェンダーは四角く大柄で、空気抵抗は良くない。PHEVのメリットは、低い速度域で短距離を走るドライバー以外、得にくいだろう。
同時に、短距離しか走らないような使い方では、ガソリンエンジンのディフェンダーはベストチョイスになりにくい。最強のV8エンジン仕様を選んで、堂々と闊歩するような欲望を満たしたいオーナー以外は。
結果としてディーゼルエンジンが、ディフェンダーの最適解になると思う。豊かなパワーとトルクが沸き立ち、0-100km/h加速8.0秒という加速すら披露できる。発進時に一呼吸おくのは、ランドローバーの古くからの特徴だ。