フェラーリ250GT SWBを現代に RMLショートホイールベースへ試乗 ベースは550 後編

公開 : 2022.04.09 08:26

深く優しく心へ訴えてくる運転体験

ペダルの配置は、ヒール&トゥにピッタリ。コーナーを攻め込んでいくと、シャシーは優れたバランスで落ち着いたマナーを示す。フロントノーズは狙ったラインを乱すことなく、リアは出口に向けたフルスロットルを受け付ける安定性が保たれる。

ボディロールも抑え込まれている。挙動が完璧とまではいえないにしろ、不安になることはない。

RMLショートホイールベース・プロトタイプ
RMLショートホイールベース・プロトタイプ

全体的に穏やかに調整されたドライビング体験は、クラシックカーを運転しているかのように、深く優しくドライバーの心へ訴えてくる。162万ポンド(約2億5920万円)の英国価格を忘れることができるなら、思う存分ワインディングを楽しめるはず。

残りの開発時間で、アクセルペダルの操作による姿勢調整の領域を広げることができれば、より見事なクルマに仕上がるだろう。生産数は30台の限定だというが、半年もあればすべて注文は埋まると思う。大半は、北米大陸へ渡るようだ。

RML社のCEO、マイケル・マロック氏が、ショートホイールベースに取り組む意義を話してくれた。その半分は、技術者としての情熱を満たすため。もう半分は、長年大手企業の縁の下の力持ちとして活躍してきた自社を、表舞台に立たせるため。

プロトタイプを運転した限り、その目的は充分に達成しつつあるといえそうだ。販売は、2022年の後半が予定されている。

RMLショートホイールベース・プロトタイプのスペック

英国価格:162万ポンド(約2億5920万円)
全長:−
全幅:−
全高:−
最高速度:289km/h(予想)
0-100km/h加速:4.1秒(予想)
燃費:−
CO2排出量:−
車両重量:1575kg
パワートレイン:V型12気筒5474cc自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:485ps/7000rpm
最大トルク:57.8kg-m/5000rpm
ギアボックス:6速マニュアル

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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