レクサス「オフロード体験施設」を富士スピードウェイに計画中 現地取材

公開 : 2022.03.31 22:25  更新 : 2022.03.31 23:06

新型レクサスLXのいいところ

Aコースの後半には、急降坂・急登坂、丸太の階段がある。

「クロールコントロール」という機能を使えば、傾斜に応じた減速・加速をクルマにまかせ、ドライバーが操舵に専念できる。

Aコースの丸太階段では、これだけ車体が揺すられる。
Aコースの丸太階段では、これだけ車体が揺すられる。    宮澤佳久

これはダウンヒルのブレーキ制御と、クルーズコントロールの機能を1つのシステムに統合したと思えば良い。

例えば、丸太の階段は凹凸を乗り越えるたびに、ドライバーの身体が激しく揺すられる。

それでは繊細なペダルワークは困難だが、クロールコントロールなら一定の低速を保ったまま進んでいける。それにこの機能に任せた方が無駄な挙動・加減速がなく、遥かに同乗者にやさしい。

Bコースは、特設の岩場、コブの連続からなるショートコースだった。

こちらはサスペンションのストロークを理解したり、砂地・岩場といったコンディションに応じて車高を自動選択するAHCを体験できるので、別のレポートで詳しくご報告したい。

今回はAコースを2周する機会を頂いたが、正直なところ1周目は匠のアドバイスが耳に届いても、わたし自信は上の空。

自分は何事も理解が遅いので、2度体験してみて各機能の有り難み・絶妙なボタン配置にやっと気づく。本稼働がはじまった暁には、1人2周は走れるように運用にしてもらえれば理解が深まると思う。

プレミアム・ブランドの進む道

レクサスだけでなく、近年はプレミアム・ブランドの体験型施設の準備が進んでいる。

ポルシェ日本法人は千葉県木更津市に「PEC東京(ポルシェ・エクスペリエンスセンター東京)」という全長2.1kmのサーキットを開設。

Bコースの岩場もクロールコントロールの有り難みを体感できるポイント。
Bコースの岩場もクロールコントロールの有り難みを体感できるポイント。    宮澤佳久

高級車の販売を行うコーンズも「ザ・マガリガワ・クラブ」と呼ばれる3.5kmに渡るサーキットを千葉県内に建設中。いずれもレストランなどを併設し、ドライビングだけにとらわれない時間を提供する。

レクサスはサーキット体験や、週末の過ごし方を提案する旅企画に力を入れてきたが、LXが新型になったのを機にまた1つオーナー向けサービスの選択肢が広がることになる。

1000万円オーバーの高級SUVで林道を延々と登っていく。

世界の富裕層が別荘に向かうときはそんなシチュエーションも珍しくはないというから、こうしたオフロード性能を理解できるブランドの体験型施設もホンモノ志向のオーナーの間で話題になりそうだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。
  • 撮影

    宮澤佳久

    Yoshihisa Miyazawa

    1963年生まれ。日大芸術学部写真学科を卒業後、スタジオ、個人写真家の助手を経て、1989年に独立。人物撮影を中心に、雑誌/広告/カタログ/ウェブ媒体などで撮影。大のクルマ好きでありながら、仕事柄、荷物が多く積める実用車ばかり乗り継いできた。遅咲きデビューの自動車専門誌。多様な被写体を撮ってきた経験を活かしつつ、老体に鞭を打ち日々奮闘中。

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