【詳細データテスト】フォルクスワーゲン・トランスポーター 平凡な走り 盛大なノイズ あくまでバン

公開 : 2022.04.09 20:25  更新 : 2022.04.26 03:09

使い勝手 ★★★★★★☆☆☆☆

インフォテインメント

トランスポーターのインフォテインメントシステムは、前世代の乗用モデルに用いられていたタッチ式8.0インチ画面のディスカバー・メディアだ。最新のMIB IIにわれわれが問題点を見出していることを思えば、旧システムを使っているのも悪い話ではない。

機能性に不足はない。スマートフォンのミラーリングはワイヤレスで、USB−Cでモバイル機器の充電もでき、32GBのメディアストレージも備える。コネクテッドサービスは、フォルクスワーゲンのWe Connect Plus。これにより、オンラインでのメディアストリーミングが1年間無料で、以降は定額制となる。

旧世代のインフォテインメントだが、問題のある新世代システムよりむしろいい。タッチ入力の認識能力は上々。音量調整ノブが備わっていたら、もっとよかったのだが。
旧世代のインフォテインメントだが、問題のある新世代システムよりむしろいい。タッチ入力の認識能力は上々。音量調整ノブが備わっていたら、もっとよかったのだが。    LUC LACEY

音量調整用の実体ノブがないのは、ちょっと残念なところだが、それ以外の使い勝手は良好。ナビゲーションの目的地入力は、指先ひとつで簡単にできる。それに比べると音声入力のできは落ちるが、たいていは2〜3回やり直せば認識してくれる。

オーディオのクオリティはすばらしいが、同じ価格帯に入るプレミアムブランドの乗用車には及ばない。後席では、その騒音レベルゆえにヘッドフォンや、後席専用のエンターテインメント装備がほしくなる。

燈火類

LEDヘッドライトは標準装備で、自動レベリング機能もつく。かなり明るく、ハイビームの照射範囲は十分広い。ロービームの高さもうまく設定されている。

ステアリングとペダル

バンのペダル配置は、ホイールハウスの干渉を受けがちだ。しかし、トランスポーターのレイアウトはそれほど悪くない。普通よりほんのちょっと左へオフセットしているだけだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 撮影

    リュク・レーシー

    Luc Lacey

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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