ルノー・メガーヌ1.5 dCI 110GTライン
公開 : 2012.06.15 19:48 更新 : 2017.05.29 19:23
■どんなクルマ?
流線型のボディを持ち、且つ合理的なルノー・メガーヌのラインナップの中でも、興味深いモデルがdCI 110GTラインだ。このモデルは、パフォーマンス・モデルでもないし、ステータスなモデルでもない。質素で実用的な法人向けの量販車なのだ。
フェイスリフトされた2012年のメガーヌは、やっと英国に到着したところだ。そして、これがわれわれが最初にテストするライトハンド・ドライブ・モデルとなる。
そのエンジンは、ルノー−日産の1.5リッター・ターボ・ディーゼルで、28.6km/lという燃費と90g/kmというCO2排出量を誇る。共に、フォルクスワーゲンのゴルフ・ブルーモーションを超える値だ。
GTライン・トリムは、スタンダード・スペックに加えて、17インチのアロイ・ホイール、クルーズ・コントロール、衛星ナビゲーション・システム、バックモニター、本革製シート、ブルートゥースとUSBコネクトなどが装備され、21,300ポンド(260万円)という価格が付けられている。更に、ルノースポーツのシートや、スポーツ・バンパー、そして最も重要なスポーツ・サスペンションもGTライン・トリムには装備されている。
■どんな感じ?
メガーヌのフェイスリストは、フォードのモダンでテクニカルなルックスのフォーカスや、フォルクスワーゲンの細部にこだわったゴルフ、そして、ヒュンダイの改善されたi30に対抗するために、材質のクオリティやキャビン・デザインに煌きを加えることはなかった。若干の装飾が新しくなっただけで、否応なしに高いシート・ポジションや、浅い足元の空間、質素であまりにも普通なエルゴノミックからは程遠いダッシュボードなどはそのままだ。しかし、少なくとも、実用性は保たれている。
メガーヌのエンジンを始動すると、それが静かでマナーが良いことがすぐに分かる。パフォーマンスがこのクルマの売りではないが、108bhp、24.5kg-mのエンジンでも十分に競争力はある。また、そのギアボックスが6速(VWグループのブルーモーション/グリーンライン/エコモーティブは5速)であるのも良い点だ。
スロットルのレスポンスは良くはない。しかし、日々のドライビングに十分と言えるだろう。
クルマ自体はもちろん質素そのものだ。さすがに28.5km/lという燃費をマークするのは難しいが、21km/l台なら実際問題マークすることは可能だ。トップギアは高いレシオだが、それでもパワー不足を感じることはなく、高速道路で寛いだクルージングを味わうことができる。また、そのステアリングも爽快に走ることを手助けしてくれる。
ダンピングとボディ・コントロールは快適で、路面の状況をよく伝えてくれるステアリングの信頼性も高い。コンチネンタルのスポーツ・コンタクト3というタイヤは、パフォーマンスカー・レベルのグリップを与えてくれないが、驚くほど静かなタイヤだ。
コーナリングは、気持ちのよいバランスがあり、クイックでクリーンなレスポンスを示してくれる。もちろん、速いクルマではないが、バランスが良く、機敏な反応を見せてくれたのだ。
■「買い」か?
残念ながらノーだ。僅か108bhpのクルマに、これほどのシャシーが必要だとは思えない。もちろん快適さを追求することは悪いことではない。もし、会社がスポーティなモデルを選ぶことを許してくれるなら、メガーヌGTラインはその選択肢となろう。しかし、重要なのは最も質素なクルマを選ぶこととなると、GTラインはそれにそぐわないだろう。
(マット・ソーンダース)
ルノー・メガーヌ1.5 dCI 110GTライン
価格 | 21,300ポンド(260万円) |
最高速度 | 190km/h |
0-100km/h加速 | 12.1秒 |
燃費 | 28.5km/l |
Co2排出量 | 90g/km |
乾燥重量 | 1215kg |
エンジン | 直列4気筒1461ccターボ・ディーゼル |
最高出力 | 108bhp/4000rpm |
最大トルク | 24.5kg-m/1750rpm |
ギアボックス | 6速マニュアル |