フォード・モンデオ 欧州向けの生産終了 SUV人気の高まりでセダン需要縮小
公開 : 2022.04.07 18:05
フォードの世界戦略車として象徴的なファミリーカーだったモンデオが、29年の歴史に幕を下ろしました。
セダン人気低迷 中国では次期型発売
フォード・モンデオの欧州向け生産が29年の時を経て終了した。4月4日、スペインのバレンシアで最後の個体(グレーのセダン)が出荷されたことが、SNSへの投稿で明らかになっている。
フォード初の「世界戦略車」として1992年に発売されたモンデオは、北米、欧州、アジアなど世界各地に展開し、4世代にわたって販売が続いている。
歴史的にフォードの中心とも言えるグローバルモデルの1つであったが、SUV人気の高まりに直面し、そのシェアは減少していった。英国だけでも、2001年に8万6500台以上を売り上げていたが、2020年にはわずか2400台にまで落ち込んだ。
フォードの広報担当者はAUTOCARに対し、欧州向けモンデオの生産終了の主な理由は「顧客の好みの変化」にあり、フォードは「完全電動の未来に向けた顧客ニーズの変化に合わせ、欧州での乗用車ラインナップを進化させている」と語った。
5代目モンデオも登場しているが、世界最大の自動車市場である中国ではセダン需要が依然として高いため、現地でのみ生産・販売される予定である。
電動モデルへの投資拡大
モンデオが引退することで、欧州におけるB/Cセグメント車は、SUVを除くとフィエスタとフォーカスだけになる。
この2台のハッチバックが2023年か2024年にライフサイクルを終えるとき、何が起こるのかはまだわからない。フォードの欧州ラインナップは2030年までにすべてEVとなり、その期限ギリギリまで純ICE車を販売することはないだろう。
フォードは2026年半ばまでに欧州の全モデルにプラグインハイブリッド・パワートレインを導入する予定であり、フィエスタとフォーカスの次期型は完全に電動化される前にPHEVとして登場する可能性がある。
電動化の目標に合わせて、同社はバレンシア工場で2022年後半からクーガ、ギャラクシー、Sマックスに搭載するハイブリッドの2.5Lアトキンソンサイクルエンジンを生産すると発表した。同エンジンは現在、メキシコのチワワ州で生産されている。
フォードはまた、「現在および将来の電動化車両の需要増に対応するために生産能力の増強が必要」として、バレンシアでのバッテリー生産能力を増強するため、昨年初めに発表した2400万ユーロ(約32億4000万円)の投資に520万ユーロ(約7億円)を上乗せする。