EV(電気自動車)がHV(ハイブリッド車)の世界販売を抜いた! でもあまり見ない……各国の現状は
公開 : 2022.04.13 18:45
2021年、グローバルでのEV販売台数は2020年の2.2倍に。EVがハイブリッド車を抜きました。
世界販売 EVがハイブリッド車超え
日本経済新聞は2022年4月13日、市場調査会社などのデータを基に、2021年のグローバルでのEV販売台数が、約460万台となったと報じた。
前年(2020年)と比較すると2.2倍と急上昇しているというのだ。
注目すべきは、なんと年間販売台数でEVがハイブリッド車を抜いたという点だ。
さらに、2020年以降のEVの販売台数はグングンと伸びていくのに対して、ハイブリッド車の販売台数も増えているとはいえ、伸び率でEVに大きく見劣りしていることがわかった。
確かに、日本でも最近、EVに関する報道が増えている印象を持っている人は少なくないはずだ。
とはいっても、日本の町中で見かけるEVといえば、日本車EVの王道ともいえる日産リーフがほとんど。
都心や都心部周辺でテスラ・モデル3の姿が最近増えてきたな、と思う程度だろう。
トヨタはbZ4Xの量産モデルを正式発表したばかり。日産アリアのデリバリーもやっと始まった。
日本では、当面はハイブリッド車が電動車の主流であり、EVの普及はこれから徐々に……、という感覚の人が多いのではないだろうか。
そんな日本人感覚だと、今回の報道に対して「いったいどこでそんなにEVが売れているの?」という疑問を持つのは当然だと思う。
EVシフトの震源地は欧州
世界的に最も大きくEVシフトが進んでいるのは欧州だ。なぜならば、EV普及に対する事実上の規制があるからだ。
そもそも、欧州でEVが大きな話題となったのは2016年のこと。その前年、ドイツのフォルクスワーゲン・グループでは、欧米でのディーゼル車の排気ガス規制に対するソフトウェア不正が大きな社会問題となった。
この影響で、フォルクスワーゲン・グループは販売で大きな打撃を受けた。
そうした状況からV字回復を狙い、フォルクスワーゲン・グループは中長期の事業計画として大胆なEVシフトが掲げた。
当初、こうしたフォルクスワーゲン・グループの戦略に対して、日系メーカー各社は、「遠巻きにしながら様子見」を決め込んでいた。
コンセプトモデルとしてI.D.シリーズが続々とリリースされても、フォルクスワーゲン・グループ周辺のメーカーの反応はあまり大きく変わらなかった。
ところが、メルセデス・ベンツとBMW、さらに欧州メーカー各社はフォルクスワーゲン・グループの動きに対して、欧州連合(EU)の執務機関である欧州委員会(EC)を介した大胆な戦略を立てていた……。
欧州グリーンディール政策という枠組みでの議論なのだが、EVシフトについては2010年代末頃から徐々に表面化していく。