ぶっ飛んだコンセプトカー 54選 後編 才能を持て余した技術者の遊び?

公開 : 2022.04.17 06:06  更新 : 2022.04.18 10:56

レクサス2054(2002年)

2054年を舞台にした2002年の映画「マイノリティ・リポート」のために制作されたレクサスのコンセプトカー。半世紀以上後の個人の移動手段がどのようになっているかを垣間見せるものだった。発売まであと32年か……。

レクサス2054(2002年)
レクサス2054(2002年)

三菱SUP(2002年)

5つのボディスタイルと2つのパワートレインを1つのコンセプトにまとめたSUP(スポーツ・ユーティリティ・パック)だが、いささかまとまりがないように見えるのも無理はない。

ガソリンと電気のパワートレインを搭載し、SUV、コンバーチブル、ミニバン、スポーツカー、ファミリーカーを組み合わせたこのモデルは、理論的には誰もが楽しめるものであった。三菱は、このクルマに期待を寄せていたかもしれないが、実際には誰も買わなかっただろう。

三菱SUP(2002年)
三菱SUP(2002年)

プジョーH20(2002年)

206はプジョーで最も小さい部類に入るクルマだったが、これをベースにした消防車を作ったら、どのような結果が得られるだろうか?一般的な消防車が海上コンテナ並みに大きいのは、明白な理由があってのものである。

灰皿を消火するのであれば問題ないかもしれないが、それ以上の規模になると、もう少し背の高いクルマが必要になるだろう。

プジョーH20(2002年)
プジョーH20(2002年)

リンスピード・プレスト(2002年)

スイスのリンスピードは、次から次へと狂気のコンセプトを製作してきたコンセプトビルダーである。プレストの特長は、伸縮可能なホイールベースであった。街乗りには小型車、長距離走行には大型車というように、あらゆるシーンへの対応を目指していた。しかし、このような複雑な技術はコストなどの問題から、実現には至らなかった。

リンスピード・プレスト(2002年)
リンスピード・プレスト(2002年)

ダッジ・トマホーク(2003年)

バイクのように見えるが、実は四輪車のトマホーク。しかし、ダッジ・バイパーから流用した8.3L V10エンジンを搭載し、最高速度480km/hを出せるバイクのような四輪車に、一体誰が乗るだろうか?せめてヘルメットは着用したいところ。

ダッジ・トマホーク(2003年)
ダッジ・トマホーク(2003年)

アウディRSQ(2004年)

RSQは、映画「アイ・ロボット」のために作られた、もう1つの主役である。前述の「マイノリティ・リポート」と同様、この映画も2035年の未来が舞台となっている。RSQは車輪の代わりに球体で転がり、バタフライドアを備えている。

この記事で取り上げる多くのクルマとは異なり、RSQは当時の市販車デザインを明確に反映したものであった。

アウディRSQ(2004年)
アウディRSQ(2004年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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