新型フォードF150ライトニング 航続480kmの電動トラック NYモーターショーで一般公開

公開 : 2022.04.14 06:25

フォードが誇るピックアップトラックのEV仕様、F150ライトニング。電動化戦略の重要な役割を担います。

北米ベストセラートラックのEV版

フォードは、新型F150ライトニングをニューヨーク・モーターショー2022で披露した。ベストセラーのピックアップトラックであるF150の初の完全EV仕様である。

F150ライトニングは、北米でのEV販売を劇的に増加させるフォードの計画において、非常に重要な役割を担っている。同社のビル・フォード会長は、フォードと米国自動車産業にとって「決定的な瞬間」であると表現している。

ニューヨーク・モーターショー2022で公開されたF150ライトニング
ニューヨーク・モーターショー2022で公開されたF150ライトニング

開発は、米国の自家用車販売を長年にわたって支配してきた14代目Fシリーズをベースにしている。フォードは昨年、約73万台のFシリーズを販売した。「ライトニング」の名称は、以前、高性能モデルに使用されていたものだ。

デュアルモーター、四輪駆動のドライブトレインを搭載し、最高出力570psと最大トルク107kg-m(F150史上最大)を発生する。バッテリーの容量は2種類用意され、米国のEPAテストサイクルでの航続距離はそれぞれ約370kmと約480kmとなる見込みだ。

フォードによると、エクステンドレンジバッテリーを使用した場合、0-97km/h加速は4.0秒台半ばになるという。150kWのDC急速充電に対応し、41分で15~80%の充電が可能とされている。

実用性は従来モデルと同等?

標準の18インチホイール装着車の最大積載量は907kg、最大牽引力は4536kg。また、従来の内燃機関車と同様に汎用性を高めるさまざまな機能を装備する。例えば、積載重量を推定して航続距離の推定値を計算する車載スケールや、牽引を支援する「プロトレーラーヒッチアシスト」機能などが搭載される。

また、停電時などに9.6kWの電力を家庭に供給できるパワーアットホーム機能も備えている。フォードによると、平均的な家庭で最大10日間分の電力を賄えるという。また、工具などの電気機器に電力を供給することもできる。

フォードF150ライトニング
フォードF150ライトニング

小型の電気モーターを採用したことで、ボンネットの下に400Lの収納スペース(フランク)、4つのコンセントと2つのUSBチャージャーを確保している。

F150ライトニングは、通常のF150のアルミニウム合金製ボディとフレームを踏襲し、ボディロールを抑えるために独立したリアサスペンションを備えている。

また、15.5インチのタッチスクリーンを採用したインフォテインメントシステム「Sync 4A」を、フォードとして初めて搭載。また、12.0インチのデジタルインストゥルメントクラスターも装備される。

F-150ライトニングは、2022年春に米国で発売される予定。製造はミシガン州ディアボーンにある新工場、ルージュEVセンターで行われる。価格は燃焼エンジン車とほぼ同等の3万9974ドル(約500万円)から。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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