STOの640ps+公道との親和性 ランボルギーニ・ウラカン・テクニカ 試作車へ試乗
公開 : 2022.04.16 08:25
モデル末期が近づいてきたウラカン。エボ RWDとSTOの中間といえるプロトタイプへ、英国編集部が試乗しました。
もくじ
ーエンジンはSTOの640ps仕様でRWD
ーNA V10は静かになっても、勢いは変わらず
ー慣れが必要なLDVIシステム
ー動的能力やドライビング体験はトップ級
ーランボルギーニ・ウラカン・テクニカ・プロトタイプのスペック
エンジンはSTOの640ps仕様でRWD
まだ、これが最後ではない。ウラカンには、もう1つ特別なモデルが控えている。とはいえ、今回試乗したウラカン・テクニカのプロトタイプは、ジュニア・ランボルギーニのベストといえる印象を残してくれた。
ウラカン・エボ RWDよりパワフルで、ハンドリングはシャープ。それでいて、サーキット・フォーカスのウラカン STOより実力を引き出しやすい。価格も、比べれば手頃だ。
ウラカン・テクニカに関しては、既にAUTOCARで一報をお伝えしている。今回は、イタリアのナルド・サーキットで実際にステアリングホイールを握らせていただいた。
まず先に、このテクニカの概要を確認しておこう。エンジンはSTOが搭載する、640ps仕様の5.2L自然吸気V型10気筒。トランスミッションは7速デュアルクラッチ・オートマティックで、後輪のみを駆動する。
ステアリングラックは、可変レシオではなく固定レシオ。アダプティブダンパーや可変トルクのリアデフ、トラクション・コントロールなどは、すべてテクニカ専用のチューニングを受けている。
LDVI(ランボルギーニ・ディナミカ・ヴェイコロ・インテグラータ)と呼ばれる先進的なダイナミクス電子制御システムと、可変リア・ステアリングも搭載する。走行時の安定性を高めるとともに、ハード・ドライビング時のマナーを向上させている。
ランボルギーニも、サーキット向きの構成だと認めている。公道用モデルではあるが。
NA V10は静かになっても、勢いは変わらず
スタイリングは、STOほどアグレッシブではない。それでも、フロントバンパーに開けられたエアインテークは、エボ RWDより遥かに大きい。
リアのエンジンカバーは、軽量なカーボンファイバー製。両端が切り立ったフライング・バットレス・デザインへ改められ、リアガラスはコクピット後方へ垂直に付いている。ボディ後端には、リアウイングが立ち上がる。
テクニカのボディへ加えられた変更によって、エボ RWDより35%も多くのダウンフォースが得られるという。最大で、約180kgの下向きの力が発生する計算だ。
ブレーキディスクは、カーボンセラミック。冷却性能も高められている。
そんな最新のランボルギーニを試乗したのは、ポルシェが有するイタリア・ナルドの高速ハンドリングコース。スーパーカーの試乗には最適といえる。テクニカの開発自体も、この場所を中心に進められたという。
コース長は約6.1km。長いストレートの先に高速の左コーナーが続き、その奥にはタイトな第2コーナーが待ち受けている。2020年には、プロトタイプのウラカン STOも試乗した場所だ。
テクニカのドライバーズシートへ座り、コースイン。STOを穏やかにしたというより、エボ RWDを激しくした感じ、というのが第一印象だった。あくまでもSTOとの比較だが、V10エンジンのサウンドは、低回転域で明らかに静かになった。
欧州の騒音規制に合致させるためだろう。それでも、エンジンは変わらずパワフル。最高出力は8000rpmで生み出され、そのまま8500rpmのレブリミットまで勢いが良い。