新風を呼んだクロスオーバー ルノー・アルカナ E-テック 最終回 長期テスト

公開 : 2022.05.01 09:45

好印象なデザインに充実装備

気になる部分もゼロではないアルカナ E-テックだが、そのボディ・デザインを眺めていると許せてしまう。クーペとSUVとが巧みに融合している。おしゃれな雰囲気で、ルックスはこの手のモデルではベストの1台だと思う。

インテリアも好印象。ダッシュボード中央の9.3インチ・タッチモニターと、アンビエントライトが、モダンさを引き立てている。

ルノー・アルカナ E-テック・ハイブリッド145 Sエディション(英国仕様)
ルノー・アルカナ E-テック・ハイブリッド145 Sエディション(英国仕様)

モニターが埋め込まれたメーターパネルには、パワーフローを表示することもできる。ただし、表示される燃費は少々甘め。実際の数字は1.0km/L前後短いようだ。

装備も充実している。ヘッドライトとワイパーはオートだし、衝突被害軽減ブレーキやクルーズコントロール、レーンキープ・アシスト、交通標識認識機能も付いている。

バック時などで側方からの車両を教えてくれる、ブラインドスポット・モニターも備わる。少々、反応が過敏ではあるが。

長期テストのアルカナ E-テックでは、選択されていたオプションは3点のみ。これに、ステアリングホイールとシートにヒーターが内蔵される、250ポンド(約4万円)のウインター・パッケージが付けば、完璧だったと思う。

新しい風を吹き込んだクロスオーバー

そのかわりというべきか、同額の250ポンド(約4万円)となる、スペースセーバー・スペアタイヤが載っていた。駆動用バッテリーの侵食も重なり、荷室フロア下にある28Lの空間が埋まっていた。

傾斜したルーフラインのためか、ルノーが主張する480Lという容量より荷室は狭く感じられるかもしれない。リアシートを折りたためば、1263Lまで大きくなるが。

ルノー・アルカナ E-テック・ハイブリッド145 Sエディション(英国仕様)
ルノー・アルカナ E-テック・ハイブリッド145 Sエディション(英国仕様)

ルノーに新しい風を吹き込んだといえる、SUVクーペのアルカナ。祖先のR16との比較は難しいとは思うものの、プレミアムな質感を持つモデルでもあり、ブランド自体への注目度を高めることにつながりそうだ。

スタイリングに惹かれたら、ぜひ一度ショールームへ足を運んでみてはいかがだろう。筆者が気になった部分にも、別の印象を受ける可能性は充分にある。

セカンドオピニオ

スタイリングの素晴らしいルノー・アルカナ。インテリアの雰囲気も良い。乗り心地も、わたしは悪いとは感じなかった。

少々惜しいのがハイブリッドのパワートレイン。燃費は市街地でも期待ほどは伸びず、流れの早い英国郊外ではパワー不足を感じてしまう。もう少し洗練されていても良いだろう。 Jim Holder(ジム・ホルダー)

記事に関わった人々

  • 執筆

    アラステア・クレメンツ

    Alastair Clements

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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