小変更で訴求力を維持 ヒョンデ・コナ・エレクトリック 39kWhへ試乗 航続距離304km

公開 : 2022.05.02 08:25

ヒョンデの純EVクロスオーバーが小変更。航続距離と低価格とで、訴求力を維持すると英国編集部は評価します。

訴求力を維持するコナ・エレクトリック

新しい純EVが次々に発売される昨今。ヒョンデ・コナ・エレクトリックは、このクラスでの古株になってしまった。英国での発売は4年前だ。それでも約480kmの航続距離と、お手頃な価格設定には、今でも訴求力がある。走りも良い。

ヒョンデからも、アイオニック5という優れた新モデルがリリースされている。だが、コンパクト・クロスオーバーのコナ・エレクトリックも競争が厳しくなる市場へ耐えられるように、アップデートが施された。

ヒョンデ・コナ・エレクトリック 39kWhプレミアム(英国仕様)
ヒョンデ・コナ・エレクトリック 39kWhプレミアム(英国仕様)

スタイリングの変化が、わかりやすい部分。近年の純EVに準じて、フロントグリル・レスのルックスが与えられた。ただし、フロントグリルがなくなると、個性が薄くなることも共通しているようだ。

マイナーチェンジ後は、39Whの駆動用バッテリーと136psの駆動用モーターが組み合わされ、航続距離304kmの仕様をエントリーグレードとして設定。同じく64kWhと204ps、482kmの組み合わせがトップグレードと、2段階構成へシンプルになった。

制御ソフトウエアにも改良が加えられたということだが、電動パワートレイン自体に大きな変更はない。とはいえ、登場が早いだけに仕上がりを評価し、巧みに弱点を修正させてきている。

39kWh版でも活発 良好な乗り心地と操縦性

204psの駆動用モーターを積む方に限らす、初期型のコナ・エレクトリックはグリップ力が足りず、乾燥路でもホイールスピンする傾向が目立った。しかし、マイナーチェンジ後は出力特性が調整された様子。

今回試乗した39kWh版では、まったくそんな兆候も見られなかった。64kWh版と比較するとパワーは劣るものの、充分に活発。運転しやすいと感じた。ただし、濡れた路面で急にアクセルペダルを踏み込むと、まだトラクションが抜ける様子ではあるが。

ヒョンデ・コナ・エレクトリック 39kWhプレミアム(英国仕様)
ヒョンデ・コナ・エレクトリック 39kWhプレミアム(英国仕様)

ドライブモードには、エコとノーマル、スポーツの3段階が用意されている。アクセルペダルを踏んだ時のパワー感やレスポンスは、モードによって明確に変化する。

筆者は、ノーマルが最もバランスが良いと感じた。スポーツ・モードを選ぶと、メーターのグラフィックが赤く染まる。全体的に機能性重視なインテリアデザインだから、華やかさが加わって悪くない。

コナ・エレクトリックの褒められる乗り心地と操縦性は、マイナーチェンジ後も変わらず。安定していて挙動を予想しやすく、適度な一体感もある。スポーティとはいえないものの、印象は良好だ。

郊外の道を運転していて、気になる癖なども見受けられない。乗り心地は快適と呼べるもの。唯一、漠然としたステアリングホイールの感触は、改善の余地があるだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ティショー

    Mark Tisshaw

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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