ボルボC40 詳細データテスト 強力な加速 物足りない静粛性と質感 望まれるエネルギー効率の改善
公開 : 2022.04.24 11:25 更新 : 2022.04.26 06:26
内装 ★★★★★★☆☆☆☆
C40のキャビンは、XC40で見慣れた眺めとそれほど変わらない。2018年にXC40をテストした際、われわれはスタイリッシュで、4万ポンド(約620万円)程度のクルマとしては高級感があると評価した。
しかし、C40は最上級仕様が6万ポンド(約930万円)近い。そうなると、違う見解を持ってしまう。
どこを見てもしっかり取り付けられていて、スイッチ類はしっとりした手触りが心地いい。ドアハンドルの機械的な音にも、満足感を覚える。しかしながら、2018年時点でさえ、安っぽいプラスティックが目につく部分はあった。それは目立たない低い部分だけでなく、明らかに視界に入ったり、手が触れることの多い操作部にも見つけられた。
ウッドパネルくらいはほしいところだが、加飾パネルはすべてプラスティック素材だ。等高線のようなパターンを施したシースルーパネルは、夜になるとバックライトに照らされて独創的な眺めとなるが、昼間見る限りは所詮プレーンなプラスティックにすぎない。
最近のEVの多くがそうであるように、インテリアにレザーは使われない。オプションのウール混紡シートは、個性的で魅力を感じる。だが、テスト車に装備されていたのはマイクロスウェードのシートで、高級感はあまり感じられなかった。
おまけに素材の通気性が悪く、長時間座っていると汗ばんで蒸れる。それはステアリングホイールの合成皮革も同じだ。その手触りは、ナッパレザーよりラバーのスポンジを思わせる。
室内スペースは予想通り、XC40と同等だ。まずまずだが、コンパクトSUVとして並外れて広いわけではない。後席は、大人が座っても十分なレッグスペースとヘッドルームがあるものの、長時間座っていて快適とはいえない。着座位置が低く、背が高いひとにはもも裏のサポートが足りないからだ。
おまけに、EV専用設計のライバル、テスラ・モデルYやキアEV6の後席は、サルーン並みの広さがある。それに比べてしまうと、C40のリアシートは色褪せてしまう。
C40の荷室容量は、XC40のEVモデルより6L、ガソリンモデルと比べても39L小さいのみだ。ところが、413LというサイズはキアEV6やBMW iX3より小さい。
スロープしたルーフは、荷室容量にはそれほど大きな影響を与えてはいないが、後方視界はかなり制限している。高いリアデッキは、車間を詰めた後続車を視認しづらくする。離れたクルマについては、ルーフスポイラーが同じく邪魔をする。