ジャガーF-タイプ・プロジェクト7を生産
公開 : 2014.06.25 22:20 更新 : 2017.06.01 02:12
昨年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードでデビューしたプロトタイプ、ジャガーF-タイプ・プロジェクト7が、限定台数ではあるが実際に生産されることが決定した。これは、新設されたJLRのスペシャル・オペレーション・ディビジョンが手がけることになるもので、この部門の目玉ともなるプロジェクトだ。
スペシャル・オペレーション・ディビジョンを率いるのは、元ランドローバーのブランド責任者であるジョン・エドワーズで、彼はこの部門を立ち上げるのに9ヶ月を費やしている。
プロジェクト7は、ル・マンを制したD-タイプの60周年を祝うもので、現代のF-タイプにそのスタイルを反映させたもの。ちなみに、プロジェクト7の7はジャガーがル・マンで勝利を収めた回数を表す。
最高250台の限定生産の予定で、価格は£135,000(2,330万円)。通常のジャガー・ディーラーで販売が行われる予定だ。
最高速度はリミッターで300km/hに制限されているが、0-96km/h加速が3.8秒というタイムは、これまで生産されたジャガーの中でも最も速い1台となる。
このプロダクション・バージョンのプロジェクト7は、一般公道を走る上での法規に照らされて、プロトタイプから若干の変更を受けている。通常のF-タイプ・ロードスターと異なるのは、前後のバンパー、スピリッター、サイド・スカート、ディフューザーなどだ。
インテリアについても基本はF-タイプのものを引き継ぐが、カーボンファイバーのフレームを持つキルト風のシートと、アルカンタラ製のステアリング・ホイールなどが専用。また、カラーのハイライトも独自のものだ。
エンジンは、お馴染みの5.0ℓスーパーチャージドV8で、ピーク・パワーは575ps/6500rpm、トルクは69.4kg-m/2500-5500rpmだ。これにZF製の8速オートマティック・ギアボックスと、リミテッド・スリップ・デフが組み合わせられる。ホイールは20インチ、タイヤはコンティネンタルのコンチフォース・コンタクトがセットされる。
シャシーは、フロント・サスペンションのネガティブ・キャンパーがふやされ、フロント・トップ・マウントが変更され、アンチロールバーも太くされている。また、スプリンングとダンパーも専用のものとなる。
ブレーキはフロントがφ3989、リアがφ380のカーボン・セラミック製。フロントが6ポット、リアが4ポットだ。これはF-タイプV8Sにオプションで装備されるものだが、プロジェクト7では標準となる。
標準的なF-タイプV8と比較すると、固いダンピング、より重いステアリング、素早いギアチェンジ、クイックなスロットル・レスポンスになるという。また、そのエアロダイナミクスに優れたフォルムは、通常のF-タイプよりも177%大きいダウンフォースを得ることとなる。
ちなみに、プロダクション・モデルは、簡易的なファブリック・ルーフを持つ。
販売は、ヨーロッパ、アメリカ、南アフリカ、オーストラリア、ロシア、ブラジル、アジア・パシフィックで、アメリカ仕様のみ若干の変更があるようだ。デリバリーは来年中頃から始まり、その年内には終了する予定である。