レクサスLXは汚してつかう なぜ世界中で人気? 世界の「LXの使い方」
公開 : 2022.04.23 05:45
アメリカでは牽引性能が大事
じっくり走った感想は、究極のオフロード車であるにも関わらず、オンロードでの走りの質感が先代と比べて一気に上がったというもの。
レクサスが新型NXからブランド再構築の大黒柱として掲げている「レクサス・ドライビング・シグネチャー」という発想が、LX600オフロードでもしっかり具現化されている。
言い方を少し変えると、ドライビングモードで「スポーツ+」と「ノーマル」や「エコ」との設定差で感じる、走りの幅の広さによって、究極のオフロードからオンロードの快適性までの振れ幅が絶妙にバランスされている。
とはいっても、LX600を日本では、オフロードでハードユースするユーザーは極めて稀だろう。
日本専用仕様のオフロードは、近年日本でトレンドとなっているアウトドアやキャンプなどのライフスタイルに対するファッションアイテムという意味合いが強いと思う。
一方で、海外で先代LXの実用事例を見てみると、レクサスの主要市場であるアメリカでは、高級なトーイングマシンとして活躍している。
トーイングとは牽引を指す。
トーイングの対象は、モーターホーム(キャンピングスペース)よりも、ボートや乗馬用の愛馬を運ぶトレーラーなどが多い印象がある。
こうしたユースケースでのトーイングする路面が、泥地になる可能性は十分あり得る。
中東でLXは高級なラクダ
LXに限らず、アメリカでは大型SUVでのトーイングキャパシティ(牽引性能)がユーザーの購買選択肢の上位に来るのだ。
また、アメリカではSUVや本格クロカンを使ったアドベンチャーを楽しむカルチャーががあるが、こうした領域でLXはあまり登場しない。
こちらは、ジープや最近ではフォードブロンコの得意分野となっている。
視点を中東に移すと、トヨタ・ランドクルーザーとLXを、街乗りからハードユースまで幅広く使う富裕層が少なくない。
砂漠など砂丘などでのドライブはもとより、所有するラクダを使ったレースの随行車両として砂漠を疾走するケースもある。
中東の富裕層にとっては、LXは高級なラクダのように、さまざまなシーンで活躍する機能性と実用性を兼ね備えた、生活上の重要アイテムだといえるかもしれない。
そのほかにも、欧州や経済新興国では、LXを普段の足としてハードユースする富裕層もいる。
こうしたLXハードユーザーたちにとって、プラットフォームとパワートレインが刷新され軽量化された新型LXについて、先代モデルとの走りの差を大いに歓迎することなるだろう。
新型LXはグローバルで需要が高く、また直近では半導体不足などの影響もあり、2022年2月18日時点で納期は4年程度という見解をレクサスを示している。