ソーセージに洗濯機、ミサイルも? 自動車メーカーが作ったクルマ以外のモノ 32選
公開 : 2022.04.24 06:05
アウディ、BMW、メルセデス・ベンツ:地図サービス
ライバル同士のBMW、アウディ、メルセデス・ベンツは、意見の対立を一旦棚上げし、2015年にノキアから地図サービス「HERE」を共同購入した。以前Navteqと呼ばれていた同社の株式を、3社が均等に保有している。
メルセデスの親会社であるダイムラーは、この買収により、自動車メーカーはアップル様やグーグル様が定めたルールに従うことなく、将来の自動運転車向けに地図サービスを形成できるようになると説明している。
GM:電子データシステム
ゼネラルモーターズ(GM)は1984年、著名な実業家ロス・ペローのコンピューター大手エレクトロニクス・データ・システムズ(EDS)を買収し、自動車産業以外の分野での事業拡大を続けている。
この買収は、EDSが持つITの専門知識を活用することで、GMのコンピュータ・システムをより賢くするための方法として、経営陣が提示したものである。これにより、国内外におけるライバル企業との競争力を高めることができると考えたのだ。
EDSは、売却後すぐに収益を上げたが、両社の関係は険悪になってしまう。GMは1996年にEDSを分離独立させ、2008年にヒューレット・パッカードがこれを買収した。
GM:ヒューズ・エレクトロニクス社
GMは1985年、航空大手のボーイングとライバルのフォードを抑えて、億万長者ハワード・ヒューズの遺産からヒューズ・エアクラフト社を買収する。
同社は後にデルコ・エレクトロニクス社と合併して「GMヒューズ・エレクトロニクス」となり、ヒューズの航空宇宙に関するノウハウを活用し、1988年発売のオールズモビル・カトラス・スプリームで自動車メーカー初の市販版ヘッドアップディスプレイを実現することができた。
この新会社では、自動車部品のほか、商業衛星やミサイルなども製造していた。1994年にはディレクTVというデジタルテレビサービスを開始し、米国の何百万世帯もの家庭に入り込んだ。その後、収益が悪化したため、GMは1990年代後半から2000年代前半にかけて事業の大部分を順次切り離し、ディレクTVは現在AT&Tの傘下に入っている。
フォード:空対空ミサイル
1951年、フォード・エアロスペース社は、空対空ミサイル「AIM-9サイドワインダー」シリーズの製造に必要な部品の開発・製造を米海軍から受注した。
当初は誘導制御部を生産し、兵站(へいたん)部を支援した。AIM-9はベトナム戦争で広く使用され、現在でも数十か国でさまざまな進化を遂げた派生型が使用されている。
1990年にフォードが事業を売却し、現在はロッキード・マーチン社の傘下に入っている。