ソーセージに洗濯機、ミサイルも? 自動車メーカーが作ったクルマ以外のモノ 32選
公開 : 2022.04.24 06:05
GM:列車
GMが、今度は鉄道事業に乗り出した。1930年、GMのアルフレッド・P・スローンCEOは、自動車製造におけるコングロマリット的アプローチが、より広い輸送の世界に応用できると確信し、同年クリーブランドのエレクトロモーティブ・カンパニー(EMC)を買収した。
GMは、米国の鉄道が蒸気からディーゼルへと移行し、新しいエンジンの需要が高まることを正確に予測。その動力源と自社の自動車との相乗効果を見いだしたのである。
EMCは、ゼネラル・エレクトリック(GE)と並ぶ米国最大のディーゼル機関車メーカーとなったが、GMの自動車部門との協力関係はうまくいかなかった。EMCは世界中に進出し、EMD710型12気筒ディーゼルエンジンは3000馬力を発揮した。GMは2005年にEMCをプライベート・エクイティ・グループに売却。2010年には建設機械大手キャタピラーの下に渡っている。
シトロエン:V字型歯車
アンドレ・シトロエンが最初に設立した会社は、V字型の歯車(ヘリカルギア)を専門に作っていた。V字歯車は、通常の歯車よりも静かで強度も高いが、精密な加工が必要である。特許を取得したシトロエンは、ロシアとフランスで会社を興し、チェコの自動車メーカー、スコダをはじめとするさまざまな顧客に販売した。
1919年、自身の名前を冠した自動車会社を設立する。現在も使われているダブルシェブロンのロゴは、国際的な歯車メーカーとしてのシトロエンの歩みをそのまま表している。
トヨタ:スピードボート
1990年、トヨタはその自動車技術をマリン分野に応用する機会を得て、現在では富裕層向けのさまざまな船舶を提供している。最もパワフルな「ポーナム35」は、SUVのランドクルーザー(海外仕様)によく搭載されている4.5L V8ディーゼルエンジン2基を搭載している。
最高出力は750ps、最高速度は約30ノット(55km/h)で、全長は11.95m(39フィート)。価格は7678万円からで、最大12人を乗せることができる。
ランドクルーザーとは異なり、年間15隻ほどしか製造されていないが、マリン部門はもう少し小型で安価なボートも製造している。
シトロエン:ヘリコプター
シトロエンは、ドイツのNSUとの合弁会社コモトールでロータリーエンジンを製造していたが、この失敗から少しでも利益を得るために小型の個人用ヘリコプターを開発する。「RE-2」と名付けられた同社最初で最後のヘリコプターは、GSビロトールのワンケルエンジンを発展させ、大型ローターと自社設計の燃料噴射装置を搭載したものであった。
万が一、飛行中にパイロットが飛び降りなければならない事態を想定し、試作機のドアは取り外されていた。テスト飛行の際、エンジンが高回転域でオーバーヒートしてしまい、パラシュートの出番はなかったものの、当局の承認を取得することができなかった。
その後も開発は難航し、新オーナーのプジョーはこのプロジェクトを直ちに終了させ、2CVの後継車開発など、より収益性の高い事業に集中するように命じた。この試作機の飛行時間は38時間であった。