2+2の上級FRスポーツクーペ ロータス・エクセル 英国版クラシック・ガイド 後編
公開 : 2022.05.21 07:06
購入時に気をつけたいポイント
ボディ
グラスファイバー製で、エッジ部分を中心にひび割れがないか観察する。部分的に塗装された形跡や、事故の修復痕がないかも確かめたい。
シャシー
前後部分に事故歴がないか確かめる。亜鉛メッキされていても、サスペンションマウント付近は錆びやすい。
エンジン
900シリーズ・ツインカムエンジンが、フロントに載っている。エクセルとの相性は良く、4気筒の心地いいサウンドを奏でながら爽快なパワーを発揮する。
主に近年の履歴を中心に、過去の整備内容を確かめる。しばらくタイミングベルト交換されていなければ、重大なトラブルを避けるためにも交換費用を準備しておきたい。
ブレーキ
ブレーキキャリパーは固着しがち。フロント側を4ポッド・キャリパーに交換するなど、アップグレードされていることは珍しくない。ハンドブレーキの効き具合いもチェックポイント。
サスペンションとステアリング
ショックアブソーバーとスプリング、ラバーブッシュやハブ周りが劣化していても不思議ではない。
ステアリングに過度な遊びがないか確かめる。パワーステアリング・ポンプなどからフルード漏れしていないかも確認したい。
電気系統
エアコンの修理は安く済まない。長期間放置されてきた車両は特に、すべて正常に機能するか確かめる。メーター類の動作も同様。
インテリア
トリム類やスイッチなど、すべての部品が揃っていて正常に動くか確かめる。
クロス張りの内装は汚れやすく、天井の内張りはたるんでくる。ルーフ側に接着剤で貼られた天井の打ち直しは手間ながら、想像するほど費用は高くない。レザーは比較的堅牢といえ、掃除もしやすい。
リア側のシートベルト・マウントが腐食しがち。ステンレス製の部品に交換できる。
ロータス・エクセルのまとめ
ハンサムなスタイリングの実用的なロータスでありながら、エクセルの中古車価格は驚くほどお手頃。クラシックとしての価値が上がらず、理想通りにメンテナンスされていない例も少なくない。過去に放置されてきたエクセルには、充分な注意が必要だ。
初期型と後期型、162ps版と182ps版との間に、明確な価格差はない様子。MTとATでも同様。理想的な仕様のエクセルが見つかるまで、時間を掛けて探すのも良いだろう。
良いトコロ
優れた価格価値と動力性能。スタイリングだけでなくハンドリングも素晴らしい。定期的なメンテナンスを怠らなければ、信頼性も高い。
修理部品の入手もまだ難しくない。多くの部品が、ロータス以外のメーカーから提供されている。
良くないトコロ
既に入手が難しい部品もある。長期間放置されてきたエクセルは珍しくなく、手がつけられない状態のものも。レストアに必要な費用が、クルマの価値を超えてしまうことも。
ロータス・エクセル(エクラ・エクセル/1982〜1992年/英国仕様)のスペック
英国価格:1万7590〜2万2900ポンド(1987年時)
生産台数:2160台
全長:4375mm
全幅:1815mm
全高:1030mm
最高速度:206-215km/h
0-97km/h加速:6.9〜8.8秒
燃費:6.4-9.6km/L
CO2排出量:−
車両重量:1128-1200kg
パワートレイン:直列4気筒2174cc自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:162ps/6500rpm/182ps/6500rpm
最大トルク:22.0kg-m/5000rpm/22.7kg-m/5000rpm
ギアボックス:5速マニュアル/4速オートマティック