フィアット500e試乗 チンクのDNA、BEVになっても違和感なし

公開 : 2022.04.28 05:45

普段使いに絞れば「不安」なし

BEVのドライブフィールは、スロットルをオフした時の回生の感じに注目が集まりがちだ。

500eはノーマル、レンジ、シェルパという3つのドライブモードで構成されている。

自宅で充電し近場を走り回るような使い方では航続距離に不安はないと筆者。
自宅で充電し近場を走り回るような使い方では航続距離に不安はないと筆者。    宮澤佳久

最初に試したノーマルは回生が弱く感じられたのだが、逆にレンジモードは強め。

すぐに慣れて完全な停止までブレーキを踏まずワンペダルでこなすことができた。

街中はレンジモードでキビキビと。高速道路などではノーマルで伸びやかにといったところか。

試乗時間の後半は500eオープンを試乗した。

こちらは上位モデルの装備なので、レーンキープアシストやACC、トラフィックジャムアシストなどひととおりの運転支援システムが標準装備されていた。

ルーフ部分のみソフトトップが開く機構はフィアット500の伝統であり、クルマの性格にもあっていると感じた。

最後に航続距離だが、今回500eポップで走りはじめる前のバッテリーの充電状態は80%で、走行可能な距離は203kmと表示されていた。

これがSUVのような大型モデルなら「たったそれだけ?」と心許なく感じるはず。

でもフィアット500eの場合は、自宅で充電し近場を走り回るような使い方をする人が多いと思う。

例えば今回の試乗会は横浜みなとみらいでおこなわれ、試乗時間は100分だった。

つまり目いっぱい走り回ったところで「電欠」になる心配はなかったのである。

見た目も装備も走りの面でも完成度は高い。

根強いフィアット500人気に後押しされ、大ヒットとなる可能性大だと思う。

フィアット500eのスペック

価格:450万円~495万円
全長:3630mm
全幅:1685mm
全高:1530mm
最高速度:-
0-100km/h加速:-
航続距離:335km
CO2排出量:−
車両重量:1320-1360kg
パワートレイン:交流同期電動機
バッテリー:42kWh
最高出力:118ps/4000rpm
最大トルク:22.4kg-m/2000rpm

フィアット500e
フィアット500e    宮澤佳久

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。フィアット・パンダ4x4/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 撮影

    宮澤佳久

    Yoshihisa Miyazawa

    1963年生まれ。日大芸術学部写真学科を卒業後、スタジオ、個人写真家の助手を経て、1989年に独立。人物撮影を中心に、雑誌/広告/カタログ/ウェブ媒体などで撮影。大のクルマ好きでありながら、仕事柄、荷物が多く積める実用車ばかり乗り継いできた。遅咲きデビューの自動車専門誌。多様な被写体を撮ってきた経験を活かしつつ、老体に鞭を打ち日々奮闘中。

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