北米新ブランドが純EV発売 ルーシッド・エアへ試乗 合計1111psに最長836km 後編

公開 : 2022.05.08 08:26

最初の3年は充電料金をルーシッドが負担

テスラといえば、半自律運転を思い浮かべる読者も多いと思う。しかしルーシッド社は、エアにその機能を与えていない様子。今後、Sクラスと同等のレベル3の自律運転システムが搭載されるかどうかも、明らかにはしていない。

車線変更時にボディの斜め後方を投影してくれる、ブラインドスポット・カメラが搭載されていたが、起動までが遅い様子。アップデートする余地はあるだろう。

ルーシッド・エア・ドリームエディション・パフォーマンス(北米仕様)
ルーシッド・エア・ドリームエディション・パフォーマンス(北米仕様)

ユーチューブでは、エアがドリフトしている様子が見られる。運転が楽しいとまではいえないし、サーキットが似合うクルマでもないが、野獣のようなパフォーマンスを秘めていることは間違いない。

充電能力は、300kWまで対応する急速充電器があれば、20分で約480kmぶんの電気を蓄えられるとのこと。さらに購入から最初の3年間は、充電料金をルーシッド社が負担するという。

さて、気になる部分も少なくないルーシッド・エアだが、全体の印象は決して悪くない。修正すべき点があることは事実ながら、納車までの数か月で最終的な改良が与えられる予定だという。

コネクティビティを利用し、無線でソフトウェアのバージョンアップにも対応している。それにより、航続距離や動力性能を一層伸ばすことも可能らしい。

安価なグレードでも航続距離は653km

現状では、エアは6段階のグレード展開が予定されており、最も安価なグレードでも最長653kmの航続距離がうたわれている。今回の試乗車の場合は、21インチのアルミホイールを履いていても、最長で725kmを走れるとのこと。

エア・ドリームエディション・レンジの場合、19インチ・ホイールで836kmに達する。これだけの航続距離があれば、多くのドライバーが不安感なく純EVへ乗り換えることを許すはず。

ルーシッド・エア・ドリームエディション・パフォーマンス(北米仕様)
ルーシッド・エア・ドリームエディション・パフォーマンス(北米仕様)

ルーシッド社は、時間こそ最高の贅沢品だと話す。その点でいえば、給油を短時間で終えられるメルセデス・ベンツSクラスなどの方が、メリットは多いことになる。

しかし多少の犠牲を払うことで、中毒性のある加速力と、見惚れるようなスタイリングを手中に収めることができる。エアの最終的な仕上がりへ、期待したいところだ。

ルーシッド・エア・ドリームエディション・パフォーマンス(北米仕様)のスペック

英国価格:約13万1000ポンド(約2187万円)
全長:4976mm
全幅:1939mm
全高:1410mm
最高速度:270km/h
0-100km/h加速:2.5秒
航続距離:725-758km(EPA値)
電費:6.6-7.4km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:2375kg
パワートレイン:ツイン永久磁石同期モーター
バッテリー:113kWhリチウムイオン(実容量)
最高出力:1111ps
最大トルク:141.4kg-m
ギアボックス:−

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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