航続距離との付き合い方が大切 フィアット500e 長期テスト(2) 冬場は250km前後
公開 : 2022.05.14 08:25
かわいいカタチのフィアット500が純EVに。日本導入も始まった最新ハッチバックを、長期テストで検証します。
積算2027km 冬場の航続距離は250km前後
気温の低い冬の季節は、フィアット500eに優しくない。1度の充電で走れる航続距離は、250km前後に限定されている。
一方で、駆動用バッテリーの容量が小さいから、7kWの充電スピードでも何時間も待たずに満充電になる。先日、買い物先で20分ほど充電したら、40kmぶんの電気を蓄えることができた。
サイズの大きい純EVでは、同じ時間で15kmぶんも充電できなかったことがある。車重が軽いことも貢献している。
積算3012km ニューノーマルなら42kWhでも充分
通勤距離が往復で30km程しかなく、コロナ後のニューノーマル・ライフに慣れてしまうと、大きな駆動用バッテリーの必要性が小さくなってくる。短めの航続距離でも困らない。
長期テストの500eには、最新の純EVとしては控えめな42kWhのバッテリーが載っているが、今のところ必要十分。純粋に通勤用のクルマとして乗っている限り、筆者なら1週間以上は充電せずに過ごせる。
カタログスペックの航続距離は、WLTP値で320km。実際のところ、まだ寒い季節なこともあって、メーターパネルには満充電でも260kmを超える数字が表示されたことはない。暖かくなるまでは仕方ないだろう。
片道約200kmの自動車旅行に挑戦
エアコンの温度を控えめにすれば、数kmほど遠くまで走れるものの、車内は温かい方がイイ。シートヒーターも、心置きなく使っている。
熱線入りステアリングホイールが付いていれば完璧なのだが、500eの場合、トップグレードのラ・プリマでも選べない。プレミアムな雰囲気のある500eだが、より高価格なミニ・エレクトリックへ装備では及ばないようだ。
ドライブモードは、基本的にノーマルにしている。アクセルペダルの反応が良くなり、回生ブレーキの減速感がかなり小さくなる。
レンジ・モードで可能になるワンペダル・ドライブも扱いやすいが、低速域で急に回生ブレーキが強くなる設定に、筆者はなかなか慣れることができない。交差点なら、スムーズに減速できる。だが、バックでの駐車時などはギクシャクしてしまう。
そんなフィアット500eだが、短距離移動だけでは面白くない。ロンドン南部から英国西部の街、ブリストルまで片道約200kmの自動車旅行に挑んでみた。
大人2人が500eに乗り、サリー州を出発。M4号線に96km/hの速度制限が掛けられており、レンジ・モードで走行したため、当初は問題なく目的地へ着く自信があった。途中のリーデラメア・サービスエリアで、充電する計画も立てていた。