EVのアフターマーケット市場 航続距離延長、出力アップは可能か? 海外で人気の改造を紹介

公開 : 2022.04.29 06:25

静音化も効果あり?

フルブレーキシステムに予算が割けない場合は、フロントのパッドのみを215ポンド(約3万5000円)で販売している。さらに96ポンド(約1万5000円)で前後のブレーキライン、30ポンド(約5000円)でブレーキフルードのアップグレードが可能だ。

テスラのサスペンションシステムについて、ジョンは「十分すぎる」と表現しているが、ティーヴォ社ではオーリンズとビルシュタインのダンパー、スプリング、ロールバー、ブッシュからなるキットを提供している。ジョンによると、ハンドリングとしなやかな乗り心地を両立させることができるという。サスペンションのフルアップグレードには5000ポンド(約80万円)かかるが、ブッシュのみのアップグレードもできる。

ブレーキやサスペンション、ホイールといった、エンジン車でおなじみのカスタムも可能だ。
ブレーキやサスペンション、ホイールといった、エンジン車でおなじみのカスタムも可能だ。

ジョンはテスラ・モデル3を所有しているが、防音処理を施すことを検討しているという。EVはもともと静かだと思われがちだが、実際、モデル3をさまざまな路面状況でテストしたところ66~71dBAの騒音が確認されている。Golohoのゴム製ドアガスケットを追加装着すると、数値は62~69dBAに低下するという。

ハンプシャー州ニューミルトンにあるテスラ専門ディーラーのRサイモンズは、ドイツのCustom Teslaという会社の防音材を取り扱っている。これはパネルの内側に装着するもので、一般道用と、悪路や石畳向けの2種類がある。「ガスケットは、クルマの静粛性を高め、サウンドシステムやドア開閉時の感触を改善できます」と、同社の創業者であるリチャード・シモンズは言う。

さらに、照明付きドアシルおよびドアハンドル、操縦桿のような「ヨーク型」のステアリングホイール、追加メーターディスプレイ、アルカンターラのダッシュボードアクセント、アルミホイール、車高を40mm下げる調整可能サスペンションなど、テスラ向けの外観アップグレードも手掛けている。

航続距離の延長が比較的難しいことなど、痒いところに手が届いていないのも実状だが、EVのアフターマーケットが拡大していることは明らかだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジョン・エバンス

    John Evans

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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