フォーミュラE 第3世代マシン初公開 空力・効率・出力向上で史上最速
公開 : 2022.04.29 20:05
今年末に開催のフォーミュラEシーズン9でデビューする新世代マシンが公開。最高出力475psを誇ります。
史上最速の電動レーシングカー
第3世代となるフォーミュラEの「Gen3」マシンが公開された。空力性能の向上、電力効率の改善、そして最高速度320km/h以上と、これまでで最速の電動レーサーとなる。
モータースポーツの統括団体FIAによってモナコで公開されたGen3は、エクステリアデザインが大幅に変更されている。今年末に開幕するフォーミュラE世界選手権シーズン9に投入される予定だ。
マシンはストリートサーキットでのレース向けに特別にチューニングされ、FIAによると「高性能、効率性、持続可能性の頂点」を表現しているという。
現行のGen2 Evoからさまざまな改良が加えられており、新しいモーターセットアップで最高出力475ps(350kW)を発生し、最高速度は320km/hを超えるとのこと。また、フォーミュラカーとして初めて前後に異なるパワートレインを搭載し、回生能力は現行車の2倍以上となる600kWに向上している。
フロントモーターの追加により、リヤの油圧ブレーキが不要になったほか、600kWの超急速充電が可能となっている。
サステイナビリティも強化された。バッテリーは不要になった時点でリサイクルされ、再利用される。また、車体の多くは麻やリサイクル・カーボンファイバーで構成され、CO2排出量を10%以上削減できる。タイヤも、約26%は天然ゴムと再生繊維で構成されている。
日産、ポルシェも参戦するシーズン9
フォーミュラEシリーズの創設者で会長のアレハンドロ・アガグは、次のように述べている。
「Gen3はフォーミュラEの野心作であり、ABB FIAフォーミュラE世界選手権の第3世代を象徴するものです。世代を重ねるごとに、我々はEV技術の可能性の限界をさらに押し広げており、Gen3はこれまでで最も野心的なプロジェクトです」
「モナコePrixでは世界中の注目を集めており、このモータースポーツの歴史的な故郷で、2年の歳月をかけて制作されたマシンを公開できることを誇りに思います」
「フォーミュラEとFIAの素晴らしいチームに感謝します。EVレースの未来は明るい」
フォーミュラEシーズン9には、DS、ジャガー、マヒンドラ、マセラティ、ニオ、日産、ポルシェの7つの自動車メーカーが参戦を表明している。さらに、モータースポーツを手がけるアンドレッティ、エンビジョン、テチーターが加わる。
フォーミュラEのジェイミー・ライグルCEOはこう語っている。
「FIAとともに、フォーミュラEファンにGen3を公開し、ABB FIAフォーミュラE世界選手権においてエリートスポーツ、ハイパフォーマンス、サステナビリティがいかにうまく共存できるかを広くスポーツ業界に示すことを誇りに思います」
「2023年に我々のチームとドライバーがどのようにマシンの限界に挑むのか、待ち遠しい限りです」