ステルヴィオと同じ4気筒 マセラティ・グレカーレ GTへ試乗 売れ筋カテゴリーの稼ぎ頭 前編

公開 : 2022.05.11 08:25

ポルシェ・マカンにも迫るシャシー性能

カーブの続く走りがいのある道へ踏み入れると、グレカーレ GTがトロフェオより明確に遅いという印象は受けない。たくましく、アクセルペダルの僅かな反応へ確実に反応してくれる。

低めの回転数から、意欲的に速度を増していく。3.0L V6ツインターボの方が最終的には遥かにパワフルとはいえ、同等の勢いを得るにはもっと回転数を高める必要があるはず。

マセラティ・グレカーレ GT(欧州仕様)
マセラティ・グレカーレ GT(欧州仕様)

さらにシャシーは、フォルクスワーゲン・グループのEA888型2.0L 4気筒ターボユニットを搭載する、エントリーグレードのポルシェ・マカンにも迫る印象。足腰が良い。

ステアリングホイールに取り付けられたドライブモードのセレクターで、スポーツ・モードを選ぶ。アクセルレスポンスは一層鋭くなり、エグゾーストからは心地良いノイズが放たれるようになる。

マセラティに期待するような、キメの細かい重層的な音響ではない。シフトアップ時に聞こえる唸りは、フォルクスワーゲン・ゴルフRにも近いと思える。しかし、電子的に合成されたものとは異なる、リアルなサウンドであることは間違いない。

トランスミッションは、ZF社製の8速オートマティックが標準。マカンのデュアルクラッチATほど迅速に変速しないものの、とてもスムーズ。AT任せでも、ドライバーが期待した瞬間にしっかり次のギアをギアを選んでくれる。

ステアリングホイールには、アルミニウム製のゴージャスなシフトパドルが備わる。見た目だけでなく、触感や操作時のタッチも良い。唯一、ワイパーやヘッドライト用のレバーが操作しにくいのが残念だ。

この続きは後編にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・ディスデイル

    James Disdale

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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