どうなる自動車業界? 2022年4月の新車販売を分析 「原材料価格」「原油価格」「円安」に懸念の声

公開 : 2022.05.02 20:15

今後の展望は? 関係者の声

4月の新車販売に関して業界団体の関係者は、「4月は長期化する半導体の供給不足に加えて、中国の新型コロナウイルスの感染拡大によって上海などが事実上のロックダウンとなり、パーツの調達に支障が出て、各ブランドが生産調整を余儀なくされた」

「その結果、新型車や人気車の需要に対応できず、最終的に新車販売の前年割れの継続につながった。また、日野自動車のエンジン不正による一部車種の型式認証の取り消しもあって、貨物車の販売台数も減少した」と指摘する。

トヨタは、4~6月を「意志ある踊り場」として、現実に即した生産計画に見直すと発表。半導体不足の影響により、新型ミニバン「ノア」「ヴォクシー」の生産ラインは、5月半ばに6稼働日に渡って停止される。
トヨタは、4~6月を「意志ある踊り場」として、現実に即した生産計画に見直すと発表。半導体不足の影響により、新型ミニバン「ノア」「ヴォクシー」の生産ラインは、5月半ばに6稼働日に渡って停止される。    AUTOCAR JAPAN編集部

今後については、「新型車を中心に受注は依然として底堅く、販売店への来客やオンラインによる商談も順調に推移している。5月以降も受注を伸ばしそうなニューモデルが相次いで発売される予定なので、前年実績超えを果たす可能性は十分にある。アセアンの各地域や中国の長春などで部品生産を再開したことも朗報」

「半導体などパーツの供給不足による各ブランドの生産調整は今後もしばらく続く見込みだが、サプライチェーンの混乱は徐々にだが改善しつつある」

「一方で懸念材料としては、ウクライナ情勢に伴う原材料価格の急高騰、原油価格の高止まり、そして円安の進行などが挙げられる。人気車の受注残を本格的に解消できるだけの生産体制の実現は、もう少し先になりそう」と予測した。

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