EVは「効率が良い」ってホント? ガソリン車や家電製品と比較してみた結果

公開 : 2022.05.03 06:05

EVと電気ポットはどっちが高効率?

EV同士で効率を比較するのはもっと簡単で、単純にバッテリーサイズを航続距離で割るだけでいい。64kWhのバッテリー(6万4000Wh)を搭載し、航続距離380kmと謳われるEVの効率は168Wh/km(0.168kWh/km)である。自身の所有するEVの実走行距離を同じように計算すると、メーカーが主張する効率と比較することができる。

では、家電製品と比べるとどうなのだろうか?一般的に、電気ポットの効率は80~90%と言われている。これは、発熱体の効率が100%であり(電気をすべて熱に変換する)、それに直接水が触れているからだ。

EVはエネルギー効率に優れるが、購入時の車両価格や充電網がネックとなっている。
EVはエネルギー効率に優れるが、購入時の車両価格や充電網がネックとなっている。

冷蔵庫、洗濯機、乾燥機には、EVのモーターと同程度の効率を持つブラシレスモーターが使われている。電子レンジは、マグネトロンに電気を流してマイクロ波を発生させ、その振動で食材を温めるという、内燃機関と同じような2段階の仕組みになっている。

IHコンロは、電気ポットやEVのように、電磁誘導によってエネルギーを直接的に鍋を温めるという「仕事」に変える。従来のガスコンロや電気コンロは輻射熱を発生させるが、その多くは周囲の空気に奪われ、無駄になっている。この点はICE車とよく似ている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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