次期アルファ・ロメオ・ジュリア セダンともワゴンとも異なるEVに ラインナップ大胆予想

公開 : 2022.05.07 18:05

電動の大型SUV アルファらしさとは?

アルファ・ロメオが発売すると言われている大型電動SUVは、ダイナミクスに焦点を当てた高級車となるようだ。また、すべてのモデルは伝統的なイタリア北部バロッコのテストコースで、同社のエンジニアによって現在も開発・改良されているとのこと。

インパラートCEOは、「もしアルファが単独で事業を行っていたら、技術、プラットフォーム、電気アーキテクチャ、バッテリー、インフォテインメントを手に入れることは、わたしには不可能だったでしょう」とも語った。

アルファ・ロメオの次期大型SUVの予想レンダリング
アルファ・ロメオの次期大型SUVの予想レンダリング    AUTOCAR

アルファ・ロメオは14ブランドを抱えるステランティス帝国の一員として、プジョーシトロエンフィアットヴォグゾールといった大衆ブランドと部品やアーキテクチャを共有することになるため、独自のイメージと運転体験を維持することは、非常に挑戦的な課題となる。

プラットフォームに賢く適応することはもちろん、個性的な美学にもさらに力を入れる必要がある。インパラートCEOは、AUTOCARに対し、将来のモデルに求める基本的なデザイン要件を明らかにし、このことを強調した。

「定義すべきタイポロジーと要素は明確です。アルファは大胆な選択をする必要があります。他とは違うものでなければならないのです。照明(デザイン)、ホイール、ステアリングホイール、インストゥルメントクラスターにおいて、非常に際立ったものでなければなりません」

インパラートCEOは、将来のインテリアを「デポリュート(汚染を除去)」したいと語り、巨大なタッチスクリーンのトレンドに逆行する意向を示した。今後のインテリアデザインは、情報過多を防ぎ、ドライバーが望むだけの情報を表示するようになるだろう。

情報筋によると、将来のモデルではステアリングホイールに多くの操作系が搭載される可能性がある。アルファ・ロメオのEVは、古典的なICE車のドライビング・エクスペリエンスを「デポリュート」してしまうリスクもあるが、インパラートCEOはその解決策について考えがあるという。

「偽物のノイズ(排気音など)を入れることは絶対に許さないが、振動を再現することはできるかもしれない」として、ICEのような振動をフロア、ステアリング、シートを通して送り込むことができると示唆した。

これらの計画は、アルファ・ロメオを再生させるというインパラートCEOのビジョンの根幹を成すものである。彼がトップの座についてから13か月。電動化を進め、高級車市場を追いかける一方で、デザインとダイナミクスの融合が進む市場において、ブランドの独自性を可能な限り維持するという難しい課題に取り組んでいる。

間もなく登場するアルファ・ロメオの新型車

トナーレ

アルファ初のプラグインハイブリッド・システムを搭載した小型クロスオーバー。EV仕様も設定される予定。また、高性能モデルのクアドリフォリオの登場も否定されていない。

ブレンネロ

拡大するSUVラインナップを切り開くブレンネロ(イタリアとオーストリアの間の峠から命名)は、プジョー2008の兄弟車として2024年に登場予定。

GTV

次期アルファ・ロメオ・ミトの予想レンダリング
次期アルファ・ロメオ・ミトの予想レンダリング    AUTOCAR

BMW i4に対抗するため、EVの5ドア・クーペに神聖なる「GTV」の名称が復活する見込み。アルファが発売する最後の内燃機関車の1つになるかもしれない。

ジュリア

発売から6年目を迎え、好評を博しているジュリア。その後継モデルは、より多くのファンを惹きつけるために、セダンとステーションワゴンの境界をまたぐような、あまり一般的ではないスタイルになると思われる。

ステルヴィオ

BMW X3のライバル。ジュリアの後継車とともに2代目に生まれ変わる予定。高級志向のSTLAミディアム・プラットフォームを採用し、最大700kmの航続距離を実現すると言われている。

大型SUV

アルファを新しい領域に導く、アウディQ7のような大型SUV。最大のSTLAプラットフォームを使用する最初のモデルとなる可能性がある。STLAプラットフォームは、2023年の後半に生産される予定だ。

ミト

ステランティスのEVプラットフォームにより、新型コンパクトカーの見通しも現実的なものとなってきた。STLAスモール・プラットフォームをベースに、プジョーe-208のような都市型EVになるだろう。

スパイダー

インパラートCEOはスポーツカー復活に本気で取り組んでいる。ディーラーに初期のスパイダーEVのデザインを見せたことがあるほどだ。一方で、より大きな需要と収益性の高いモデルが優先されることも認めている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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