待望の新人か? アルファ・ロメオ・トナーレ・ハイブリッドへ試乗 コンパスに近い組成 後編

公開 : 2022.05.14 08:26

満塁ホームランが打てる新人になれるか

ダッシュボード上部にはタッチモニターが据えられ、インフォテインメントは最新のステランティス・グループに準じたシステムが実装される。もっとアルファ・ロメオ独自の変更が施されていれば、より印象は優れるだろう。

iドライブ・コントローラーを備えるBMWのシステムが、このクラスではベストの仕上り。論理的で、応答性も良い。

アルファ・ロメオ・トナーレ・ハイブリッド160(欧州仕様)
アルファ・ロメオ・トナーレ・ハイブリッド160(欧州仕様)

車内空間の広さや実用性では、クラスの平均点は超えている。後部座席側と荷室空間は、BMW X1と同等。だが、少々開放感は低い。太いAピラーとCピラーが、そう感じさせているようだ。

アルファ・ロメオらしくライバル以上の動的能力を備え、魅力的なスタイリングをまとった、クロスオーバーのトナーレ。装備も充実し、長距離クルージングを快適にこなせる。

英国価格は約3万5000ポンド(約584万円)からが見込まれており、価格価値にも優れるようだ。同等装備の日産キャシュカイ(デュアリス)より、若干高い程度。ただし、ハイブリッドのパワートレインとインテリアには、もう少しを求めたいところではある。

オプションやパッケージなどの設定は未定。最終的に、理想的なトナーレがお幾らになるのかは、まだはっきりわからない。

トナーレの内容は、充分といえる。ただし、かつてのモデルが放っていたような独特の誘惑を、読者は感じることができるだろうか。アルファ・ロメオを救うホームランを放つ待望の新人と呼ぶには、あと少しの実力が欲しいところだ。

アルファ・ロメオ・トナーレ・ハイブリッド160(欧州仕様)のスペック

英国価格:3万5000ポンド(約584万円/予想)
全長:4530mm
全幅:1840mm
全高:1600mm
最高速度:209km/h
0-100km/h加速:8.8秒
燃費:15.9-17.6km/L
CO2排出量:130-144g/km
車両重量:1525kg
パワートレイン:直列4気筒1469ccターボチャージャー+電気モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:160ps(エンジン)/20ps(電気モーター)
最大トルク:24.4kg-m(エンジン)/5.6kg-m(電気モーター)
ギアボックス:7速デュアルクラッチ・オートマティック

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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