メルセデス・ベンツCクラス 詳細データテスト 競合車を引き離すEV航続距離 強みは走りより洗練性

公開 : 2022.05.14 20:25  更新 : 2022.06.21 13:20

購入と維持 ★★★★★★★★★☆

C300eのEV航続距離は、公称109kmで、英国ではあと4kmほど長ければ社用車税制が有利になる。車両価格に対する課税額が、現状の8%から5%に軽減されるのだ。

それでも、競合する多くのPHEVに比べれば、年間の維持費でアドバンテージがある。その差は、年額でおよそ720ポンド(約11.2万円)だ。

C300eは、最初の2年の残価率で330eを上回る。経済性からみて、なかなか心強い存在になりそうだ。
C300eは、最初の2年の残価率で330eを上回る。経済性からみて、なかなか心強い存在になりそうだ。

テスト結果から計算する現実的な航続距離は、市街地でスローなペースに徹したとして80kmをやや上回る程度。速度を上げたなら、70km台半ばといったところだ。だとしても、このクラスでは40km程度というのが現実的な平均値なので、C300eを選ぶ大きな動機となるだろう。

車両価格はプジョーやDS、はたまたボルボなどの競合モデルよりリーズナブルで、残価率も高いので、販売には有利な要素が揃っている。標準装備も非常に充実しているが、オプションを選び出したらかなり出費が増える可能性もあるのはいうまでもない。

長距離移動が多かったり、頻繁に充電できなかったりした場合を想定しても、われわれが計測した113km/h巡航燃費の結果からすれば、EV走行込みでの燃費は17.3km/Lとかなり立派な数字となるはずだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 撮影

    リュク・レーシー

    Luc Lacey

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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