満タン+満充電で何km走れる? ベントレー・ベンテイガ・ハイブリッド 800kmのクルマ旅 後編
公開 : 2022.05.21 09:46
電動化への道を歩み始めた、ベントレー。その第一歩となるPHEV版ベンテイガで、英国編集部が800kmの旅に出ました。
もくじ
ーブランド初の純EVは2026年の予定
ー息を呑む加速力で動力性能に不足なし
ー美しく希少なRタイプ・コンチネンタル
ーベンテイガ HVでの800kmは喜びの連続
ーベントレー・ベンテイガ・ハイブリッド(英国仕様)のスペック
ブランド初の純EVは2026年の予定
ベントレー・ベンテイガ・ハイブリッドで約800kmを走る、今回の旅。筆者がクルーまでの道で特に気に入ったのが、ナビゲーションのルートに合わせて、ベンテイガがちょっとした気使いをしてくれることだった。
制限速度を超えそうだったり、ブレーキングが遅れそうな時に、アクセルペダルへトントンと振動を与えてくれる。ドライバーをアシストしていると理解して以降、この小さな仕掛けに好感を抱いた。気に入らなければ、オフにもできる。
パワートレインのモードには複数の選択肢があり、ハイブリッドがベストの効率を得られる。ベントレー・モードは、最も乗り慣れた質感が得られる。どちらも印象は良い。
クルーまでのドライブと技術者の話を聞いて、ベントレーは2つの目標達成に向けた準備が整っていることを実感した。2026年までにブランド初の純EVをリリースすることと、2030年までに完全に純EVへシフトすることだ。
フォトグラファーのマックス・エドレストンと筆者は、10時半に次の目的地へ出発。ここからは約300kmの運転になる。心地良い太陽と、柔らかそうな雲。ベンテイガと、気の知れた仕事仲間と一緒だから、まったく問題ではない。
駆動用バッテリーを満充電にし、グレートブリテン島を西から東へ走る。至って順調に、英国東部のエセックス州へ到達した。
もちろん、その安楽さを生んでいた中心的存在は、ベンテイガ・ハイブリッド。有料のM6号線を逸れ、途中で一般道のA14号線に入る。さらにM11号線を南下し、P&Aウッド社を目指す。
息を呑む加速力で動力性能に不足なし
交通量の少ないM6号線では、全開でのダッシュ力とエンジンサウンドを確かめるため、1度フルスロットルを与えてみた。残りのエネルギーには余裕があると判断したためだ。
巨大なSUVが、息を呑む勢いで加速する。8速ATは、ピタリと6200rpmでシフトアップする。パワートレインは、常に静かで滑らか。余力の大きさをうかがわせる。
アクセルペダルの反応は迅速というほどではないものの、V6エンジンをアシストするように、駆動用モーターが豊かなトルクを発揮する。動力性能に不足はまったくない。
市街地を30km/hから50km/h程度で流している時も一興。駆動用バッテリーの残量がないとメーターパネルに表示されていても、限定的に電力を展開してくれる。
P&Aウッド社のジョルジーナ・ウッド氏とは、14時半の約束だった。ベンテイガ・ハイブリッドは、予定の10分前に到着した。オドメーターが出発から513kmを走ったことを教えてくれる。
ここまでの燃費は12.0km/L。出発直後は、106.2km/Lという驚くような数字が表示されていた。駆動用バッテリーは空で、EVモードで走れる距離は残っていない。
到着と同時に、温かいお茶が出てきた。P&Aウッド社は落ち着ける場所だ。スタッフはとても優しい。グッドウッド・サーキットでのイベントへ、14台のクルマを準備しているという。そのうちの7台は、オークションで販売されるそうだ。
「イベントで、わたし達のクルマがサーキットを走る様子を眺めるのが、大好きなんです」。とジョルジーナが話す。