フォーミュラEの第3世代マシンにドライバーが期待する理由 レース展開が大きく変わる?
公開 : 2022.05.12 18:25
ピットに新要素導入 戦略も多様化?
一方、Gen3がオープンホイール(タイヤがむき出しの仕様)となったことも、レースに影響を与えるだろう。Gen2のホイールスパッツは取り外され、サスペンションがほぼ無防備な状態となるため、これまで多発していたマシン同士の接触は減少するはずだ。
「フロントウイングを見ると、かなり出っ張っているので、特に注意が必要だ。ダウンフォースレベルが大きくなっているから、ウィングを失えば、性能上のペナルティとなるからね」
まだ明確になっていないのは、ABBの急速充電機能の詳細だ。現在、「アタックモード」や「ファンブースト」といったレース中のパワーアップが導入されているが、来年には急速充電ピットストップが追加され、戦略のバリエーションをさらに増やす予定だという。では、これでエネルギー管理に気を取られることなく、常に全力疾走できるようになるのだろうか?ウェーレインは、次のように話している。
「最終的なレギュレーションはまだ100%確定したわけではない。はっきりしているのは、より多くのエネルギーを回収できることと、バッテリーの小型化でマシンがかなり軽くなったことだ。ピットストップや急速充電を含め、どのようなオプションがあるのか、まだ分からないことが多い」
レギュレーター、フォーミュラE、そして供給元(シャシーのスパーク・レーシング・テクノロジー、バッテリーのウィリアムズ・アドバンスド・エンジニアリング、全天候型タイヤのハンコック、そして充電のABB)にとって、これから詰めるべきことがまだたくさんある。
そしてドライバーたちは、今シーズンをこなすだけで精一杯だ。しかし、夏にはGen3をテストする機会がやってくる。その外見についてはどうであれ、性能の可能性とそれをどう活用するかが、彼らを夢中にさせるのだろう。