世界を変えたSUV 30選 前編 昨今のトレンドを作り出した名車たち

公開 : 2022.05.14 06:05

スズキジムニー

1970年に初代が登場して以来、285万台が販売された伝統ある小型SUV。初期モデルのLJは小型(当初は360ccエンジン)だったが、後期のSJは大型化して都会的なデザインとなり、1980年代の怪しいグラフィックが施されたこともあった。

3代目は20年に渡って生産されたが、2018年に発売された現行の4代目は、小型で頑丈な、オフロードに適した「道具」としての地位を保っている。

スズキ・ジムニー
スズキ・ジムニー

ジープチェロキー

何はともあれ、ジープ・チェロキーは長年にわたるSUV市場の変化を反映してきたという点で、評価に値する。1974年にワゴニアの廉価版3ドアとして発売されたチェロキーは、1984年の2代目のXJモデル(写真)で、よりアーバンライクな外観となった。

3代目と4代目は、より無骨でレトロなスタイルになり、1993年に登場した高級志向のグランド・チェロキーと差別化された。現在のチェロキーは、アルファ・ロメオジュリエッタと密接な関係にあるクロスオーバー車で、前輪駆動と四輪駆動が用意されている。

ジープ・チェロキー
ジープ・チェロキー

クライスラーが1987年にジープとその親会社AMCを買収したのは、このチェロキーXJが主な理由である。ジープはフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FAC)の重要な一部となり、現在はステランティスの抱える14ブランドの一員として、その存在感を守り続けている。

メルセデス・ベンツ・ゲレンデヴァーゲン

ゲレンデヴァーゲン(Gクラス)は、いろいろな意味で理屈に合わないクルマだ。メルセデス・ベンツが革新的な高級ブランドとなった現在も、最も古く、最もラフなこのSUVは世界中で愛され続けている。1979年の発売以来、30万台以上が売れている。

ワイルドなAMGや6輪車バージョンがその魅力に拍車をかけているが、2018年にフルモデルチェンジを行った後でも、40年前とほとんど変わらない姿をしている。電動化時代にも、せめてその面影だけでも引き継がれることを願いたい。

メルセデス・ベンツ・ゲレンデヴァーゲン
メルセデス・ベンツ・ゲレンデヴァーゲン

三菱パジェロ

堅牢な四輪駆動車のエキスパートという三菱の地位は、パジェロ(一部市場ではショーグン)が築いた礎の上に成り立っている。1982年に発売されたパジェロは、その信頼性と卓越した性能により、全世界で320万台近くを売り上げた。

2006年に発売された4代目モデルも生産されているが、日本など複数の市場で販売が終了しており、その将来性は不透明だ。

三菱パジェロ
三菱パジェロ

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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