世界を変えたSUV 30選 後編 昨今のトレンドを作り出した名車たち

公開 : 2022.05.14 06:06

日産キャシュカイ

2006年に発売された日産キャシュカイ(日本名:デュアリス)は、大きな賭けだった。主要市場における主力モデルをやめ、SUVの存在感とハッチバック並みの走行性能と価格を兼ね備えた「クロスオーバー」モデルの発売に集中したのである。あとは歴史が証明しているように、日本での販売終了後も、欧州を中心に約350万台が販売されている。

日産キャシュカイ
日産キャシュカイ

BMW X6

X5よりやや実用性に欠ける、高価なモデルが本当に世の中に必要だったのだろうか?その判断に各々に任せるが、2008年に発売されたX6は、クーペSUVという奇妙なジャンルを切り開いたクルマである。

3代目となる現行X6は、今でも賛否両論あるモデルだが、総販売台数は約45万台と人気を集めていることに変わりはない。ライバルブランドから模倣モデルが続出したこともあり、BMWがトレンドに敏感だったことがうかがえる。

BMW X6
BMW X6

レンジローバー・スポーツ

ランドローバーのラインナップ多様化は、2009年のレンジローバー・スポーツの発売で本格的に始まった。最上級のレンジローバーに比べればやや荒々しいものの、ブランドにふさわしいモデルであることは明らかだ。しかし、スポーティかと問われると、そうでもない。

2013年に登場した2代目モデルは、運転しやすく見栄えもよかったため、大きさ、速さ、派手さ求めるユーザーに支持された。現在までに約50万台が販売されている。

レンジローバー・スポーツ
レンジローバー・スポーツ

ミニ・カントリーマン

「ちっともミニじゃない」と、多くの人が声を上げた。彼らは正しい。2010年に発売されたカントリーマンは、ミニのサイズに対する認識を覆すものだった。とはいえ、市場全体から見ればまだそれなりに小さく、コンパクトSUVというカテゴリーに収まっている。

2017年に登場した第2世代モデルはかなり大型化したが、そのサイズにもかかわらず(あるいはサイズゆえに)人気を集めている。

ミニ・カントリーマン
ミニ・カントリーマン

三菱アウトランダーPHEV

三菱は2005年からアウトランダーを製造してきたが、2013年にプラグインハイブリッド(PHEV)を発売した。世界初の四輪駆動PHEV SUVとされている。

ハイブリッド車とSUVの両方の需要が急増している中で、電動パワートレインを導入したのは絶好のタイミングだった。これまで20万台以上が販売されるなど、地味な存在だったアウトランダーが金字塔を打ち立てたのである。

三菱アウトランダーPHEV
三菱アウトランダーPHEV

テスラモデルX

テスラ・モデルXは、2015年の発売と同時に初の量産型電動SUVとなり、新時代を築いた。その豪華な「ファルコンウィング」ドアが目玉装備だが、最大500km以上の航続距離と、パフォーマンスモデルでは0-97km/h加速わずか2.7秒という性能を誇る。

ライバルとなる電動SUVの数は爆発的に増加しており、今後数年間でさらに増えるだろう。

テスラ・モデルX
テスラ・モデルX

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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