日産エクストレイル 新型はまだ? 決算報告で高まった「2022年度発売」の可能性

公開 : 2022.05.15 05:45

決算報告を分析すると、日産エクストレイルの日本仕様の新型は、今年度発売の可能性が高いと筆者は考察します。

もう2年モノに 日本仕様はまだ?

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日本仕様の新型はいったいいつになったら公開され、そして発売が始まるのか?

事実上のエクストレイル(日本名)の北米仕様の「ローグ」は約2年前に新型に。
事実上のエクストレイル(日本名)の北米仕様の「ローグ」は約2年前に新型に。

気をもんでいる人が少なくないことだろう。

なにせ、事実上のエクストレイル北米仕様である「ローグ」が初公開されたのは、いま(2022年5月中旬)から約2年も前の2020年6月なのだから。

また、いまから約1年前の2021年4月の中国上海モーターショーでは、中国仕様エクストレイルが公開されている。

さらに、事実上のエクストレイル欧州仕様である「キャッシュカイ」も登場しているという状況だ。

多くの日系自動車関連メディアは、当初は「2021年内に国内販売」と報じ、その後「2022年中」や「2022年夏」といった表現で、日本仕様エクストレイル発売時期を予測してきた。

また、2022年5月に入り、日本仕様エクストレイル発表に向けたカウントダウンが始まったという趣旨の記事も出ている。

いったい、どの情報が正解なのだろうか?

そうした中、気になることが出てきた。それは、決算報告で示された資料だ。

さらに、記者との質疑応答の時間に、この資料について日産幹部が補足説明しているのだが、そこでの発言内容をどう解釈すれば良いのか?

本稿では、日産の決算で公開された各種情報から、日本仕様エクストレイルの2022年度中登場の可能性を考えてみたい。

2021年度決算 黒字化のワケ

日産は2022年5月12日の16時から、2021年度決算報告をおこなった。

すでに、各種報道を目にしている人も多いと思うが、今回の決算の目玉は、3年度ぶりに黒字化した点だ。

日本で販売される3代目エクストレイル
日本で販売される3代目エクストレイル

2021年度の販売台数はグローバルで387万6000台と、前期の405万2000台から176万台減少した。

しかし、売上高では、前期より5620億円増加して8兆4246億円となった。

営業利益についても、1507億円の赤字から一転して、2473億円の黒字となった。

営業利益の内訳を見ると、ポジティブ要因で最も大きいのが「販売パフォーマンス」で3390億円。

これは、主に北米で販売奨励金(インセンティブ)を抑制して値引きを最小限に食い止めたことなどが大きく影響している。

また、円安による為替分でも634億円のポジティブとなった。ネガティブ要因は、やはり原材料高の影響で、これが1392億円である。

日産は事業構造改革「ニッサン・ネクスト」を4か年で実施しているが、今回の決算はその折り返し地点となる。

「ニッサン・ネクスト」では、事業の最適化と、国や地域での製造販売モデルの選択と集中をおこなってきたが、そうした改革を確実に進めたことが今回の黒字転換に結びついた。

その中で、商品ラインナップを15%削減し、18か月間で12モデルを投入した。

そこに北米/中国エクストレイルと欧州キャッシュカイが含まれる。

では、日本ではこれからどうなるのか?

記事に関わった人々

  • 執筆

    桃田健史

    Kenji Momota

    過去40数年間の飛行機移動距離はざっと世界150周。量産車の企画/開発/実験/マーケティングなど様々な実務を経験。モータースポーツ領域でもアメリカを拠点に長年活動。昔は愛車のフルサイズピックトラックで1日1600㎞移動は当たり前だったが最近は長距離だと腰が痛く……。将来は80年代に取得した双発飛行機免許使って「空飛ぶクルマ」で移動?

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