今こそ買いたい90年代の欧州車 15選 中古で楽しめる、シンプルな名車たち

公開 : 2022.05.15 18:05

BMW 5シリーズからルノー・トゥインゴまで。クルマがまだシンプルだった頃の素晴らしい欧州車を紹介。

快適かつ安全に楽しめる欧州の名車たち

1990年代が、つい昨日のことのように思い出される方も多いだろう。今よりもずっとシンプルな時代だ。クルマも実に素晴らしかった。

当時のクルマの多くは、個性的で楽しいだけでなく、以前と比べて安全性も高まっていた。ABSやクランプルゾーン、パワーステアリング、エアコンなどが広く採用されたことで、誰にでも使いやすい道具になった。また、今日のような半導体ベースのデジタルな生命体ではなく、非常に修理しやすい「機械」でもある。

「クラシックカー」と呼ばれるにはまだ早い、90年代のクルマたち。忘れるには惜しい名車を紹介する。
「クラシックカー」と呼ばれるにはまだ早い、90年代のクルマたち。忘れるには惜しい名車を紹介する。

しかし、街中をぶらぶら歩いているとき、90年代の生き残りを何台見つけることができるだろうか?かつてわたし達の生活を支えたクルマは急速に姿を消し、今では一部の変わり者くらいしか所有していないようだ。

これは日本に限った話ではなく、欧州でも似たような状況にある。SMMT(英国自動車製造者販売者協会)の統計によると、2015年に廃車になったクルマの車齢の中央値は13.9年であった。事故による損失もあるだろうが、法定点検に通らなくなったことで買い替えが進むなど、まだまだ走行可能な個体もたくさん潰された。

レギュラーガソリンにエタノールを10%含んだ「E10」燃料の登場も大きく影響している。これに対応していない古いクルマ(主に2000年代以前に製造されたモデル)は、高価な無鉛ガソリンを購入するか、新しいクルマに買い替えるしかない。

もし、多少のコストはかけてもいいと思えるなら、どの90年代モデルを後世に残すべきだろうか?今回は欧州車をメインに振り返る。

ロータス・エリーゼ

ロータスの「軽量化」の原点に立ち返った、基本に忠実な高性能オープンカーの最高峰。コクピットに乗り込むときの感覚は、レーシングカーのそれに近い。それほど走りに焦点が当てられているのだ。

MG製1.8Lエンジンは、最高出力120psの平凡なパワートレインだが、エリーゼはそれだけのパワーで多くのことを成し遂げている。設計コンセプトがいかに優れていたかは、数え切れないほどの派生モデルが証明している。

ロータス・エリーゼ
ロータス・エリーゼ

ポルシェボクスター

比較的手頃な価格のオープンカーだが、911のDNAを多く受け継いでいる。機械的なトラブルもよく知られている一方で、センセーショナルな外観と素晴らしい走りを備えた、妥協のないスポーツカーである。

本格的なスポーツカーを所有したいなら、ボクスターは最良の選択肢の1つと言えるだろう。初期は2.5Lエンジンで、後に2.7L、3.2LのボクスターSも用意されている。

ポルシェ・ボクスター
ポルシェ・ボクスター

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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