往年のラリーキングを復刻 MST Mk1へ試乗 現代版フォード・エスコート RS1600 前編
公開 : 2022.05.24 08:25 更新 : 2022.11.01 08:49
シャシーとスタイリングは基本的に同一
エスコート Mk2で長年ラリー経験を積んできた、MST社を経営するカーウィン・エリス氏によると、フォード側とは非公式に情報を交わしただけだという。フォードやエスコートと表記しなければ、製造・販売しても構わないと確認は取れているそうだ。
つまり、少なくとも現在のフォードには、エスコート Mk1やMk2の復刻モデルの計画がないことを意味する。恐らく、今後もないだろう。
MST社が正式にこのクルマを作る権利を持つのか、あやふやではある。だが、高い完成度を目の当たりにすれば、フォードも強く否定することは難しいはず。細部に至るまで、見事にエスコートだからだ。
シャシーの主要なシェル構造部分とボディパネルは、オリジナルとまったく同一。だがシャシーは肝心な部分が補強され、パネルも2重構造が取られている。
今回お借りしたMST Mk1のデモ車両は、1970年代のグループ4ラリーマシンを模してある。大きく膨らんだフェンダーと、超ワイドな13インチのミニライト・ホイールが、なんともマッシブに映る。
低められた車高は、調整式サスペンションによるもの。フロントはストラット式で、リアは6リンクのリジッドアクスル。ビルシュタイン社製のコイルオーバーキットが、前後に組まれている。
エンジンは、コスワース社の設計がベースとなった、自然吸気の2.0L直列4気筒。BDGと呼ばれるレーシングユニットだ。組み立ては英国東部、ピーターバラのギャザーコール・レース・エンジンズ社が行っている。
この続きは後編にて。