大胆ボディのイタリアン フィアット・クーペ(クーペフィアット) 英国版中古車ガイド
公開 : 2022.05.23 08:25
1番人気はパワフルな20バルブ・ターボ
3年後の1996年になると、パワフルな20バルブ5気筒エンジンが登場。自然吸気で147ps、ターボで220psを発揮した。自然吸気の方は、その後に可変吸気システムを獲得。152psへ増強されている。
赤いブレンボ社製のブレーキキャリパーに6速MT、専用のボディキット、ストラットタワーバー、レカロシートを備えたVT LEなど、いくつかの限定仕様もリリースされた。1999年からターボには6速MTが標準となったが、2000年に生産は終了している。
ちなみに1番人気といえるのは、0-100km/h加速を6.3秒でこなした、見た目にそぐわない走りの後期型20バルブ・ターボ。日本へは、モデルライフを通じてターボしか正規輸入されていない。
新車時代のAUTOCARの評価は
ワイルドで爽快、素晴らしくもあり、馬鹿げてもいる。だが、それ以上のモデルだ。議論を呼ぶデザインは、写真以上に人目を引く。加えてドライビング体験も素晴らしい。筆者を信じて欲しい。
洗練され、安定していて、乗り心地も良好。近年のアルファ・ロメオやフィアット、ランチアのモデルとは、まったく異なる。ピニンファリーナ社が製造できる年間2万台という台数を、フィアットは問題なく売りさばくことだろう。(1993年11月24日)
購入時に気をつけたいポイント
エンジン
比較的堅牢で、故障は少ない。エンジンオイルの管理が不十分だったり、補機ベルトが破断すると、タイミングベルト側にも支障をきたす。
20バルブ・ターボエンジンのエグゾースト・マニフォールドはひび割れすることがあるが、溶接で修理できる。ターボエンジンの場合、クーラントホースが長く伸びており、破損するとすべてのクーラントが流れ出てしまう。通称、死のクーラントホースだ。
タイミングベルトの交換は、6年毎か11万5000km毎が英国では指定されていた。多くのオーナーは、4年毎か5〜6万km毎に交換しているようだ。技術があれば、エンジンを降ろさず300ポンド(約5万円)程度で作業できる。
多くの部品はまだ入手が可能。20バルブ・ターボエンジンの方が流通量は多い。リアのABSセンサーと、16バルブ・エンジン用サーモスタットは、入手困難だという。
サスペンションとブレーキ
メンテナンス不良で、リアブレーキが不調になる例が少なくない。リアのサブルームとトレーリングアームにはブレーキパイプが固定されており、錆びがち。
リアサブフレームの腐食で、バンプストップが落ちることがある。リアブレーキのディスクガードも錆びやすい。
ボディ
サイドシル、フェンダーアーチ、アンダートレイの固定部分、インナーフェンダー、ピニンファリーナ・エンブレムの後ろ側、ラジエター前方のインナーボディ・パネル、ボンネットやサンルーフのヘリ部分は錆びやすい。