大胆ボディのイタリアン フィアット・クーペ(クーペフィアット) 英国版中古車ガイド

公開 : 2022.05.23 08:25

オーナーの意見を聞いてみる

デイブ・ギボンズ氏:UKフィアット・クーペ・クラブ

「1997年に、最初のクーペフィアットの20バルブ・ターボを購入。当時、そのスタイリングやパフォーマンスは他に例がないものでした。10年ほど、普段使いのクルマとして楽しみました」

フィアット・クーペ(クーペフィアット/1993〜2000年/英国仕様)
フィアット・クーペ(クーペフィアット/1993〜2000年/英国仕様)

「以降は大きなターボを載せたり、冷却系を強化し、ブレーキとサスペンションを交換するなど、チューニングもしましたね。その頃はチューニングメニューがいくつか用意されていて、400馬力以上も可能でした」

「でも、現在はノーマルの方が遥かに需要は高いです。年式的にサビが最大の問題。ボディは色あせやクリア層の剥離などが考えられ、再塗装が必要なことも多いですね」

知っておくべきこと

個性的なヘッドライトカバーは、見た目重視。新車時から、暗いヘッドライトに不満があがっていた。生産から30年が経過するクルマが故に、透明の樹脂は劣化し、さらに明るさが失われている。比較的安価にHIDへ交換することは可能だ。

ドアミラーは小ぶりでスタイリッシュだが、見にくい。ウインカーは、手で戻さないと消えないことが多い。ステレオユニットはクラリオン社製が標準だったが、使いにくく、別のユニットに交換されている場合も珍しくない。

フィアット・クーペ(クーペフィアット/1993〜2000年/英国仕様)
フィアット・クーペ(クーペフィアット/1993〜2000年/英国仕様)

エアコンやハンドブレーキ・レバー周辺の樹脂パネルは、劣化して表面がネバネバしてくる。センターコンソールに並ぶ3つのスイッチは、固定部分が壊れて、コンソール内に落ちてしまうことがある。

英国ではいくら払うべき?

2000ポンド(約33万円)〜5999ポンド(約99円)

走り込まれた初期のクーペフィアットを、英国では見つけられる。多くは改造されているか状態が悪く、手を出さない方が良いものの、掘り出し物も含まれる。長い走行距離が前提ではある。

6000ポンド(約100万円)〜9999ポンド(約166万円)

走行距離が若干短く、状態の悪くないクーペフィアットを英国では探せる価格帯。それでも、中には16万kmを超える例も含まれる。

フィアット・クーペ(クーペフィアット/1999年/英国仕様)
フィアット・クーペ(クーペフィアット/1999年/英国仕様)

多くがしっかり整備を受けており、妥当なチューニングやレストアが施されている例もある。できれば、純正状態がベターだろう。

1万ポンド(約167万円)以上

走行距離が短めで、オリジナル状態のクーペフィアットが英国では出てくる。

英国で掘り出し物を発見

フィアット・クーペ(クーペフィアット) 20Vターボ(英国仕様) 登録:1999年 走行距離:20万9200km 価格:6500ポンド(約108万円)

長めの走行距離だが、4オーナー車で状態は良い。フィアットに詳しいショップで整備を受けてきており、近年もブレーキディスクとパッド、タイヤ、タイミングベルト、テンショナーが交換されている。

2007年以降は、1人のオーナーが大切にしてきた。スペアキーのほかに、車両情報が記されたコードカードも付いている。

記事に関わった人々

  • マーク・ピアソン

    Mark Pearson

    英国編集部ライター
  • 中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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