不当に過小評価されている名車 39選 前編 魅力が伝わらなかった悲運のクルマたち

公開 : 2022.05.21 18:04

ポルシェ914および914/6

ポルシェらしくないスタイリング。おそらくフォルクスワーゲンとの関係もあるのだろう。それとも、ミドエンジン車であることが理由なのだろうか。1つだけ確かなのは、あまりにも高価だったということだ。

その理由はともかく、924、944、928、968など、カルマンギアの後継車は常に911の陰に隠れるように存在してきた。しかし、世界初のミドシップスポーツカーとして、このクルマはもっと尊敬されてもいいはずだ。まるで、ポケットサイズのポルシェ917のようなものである。

ポルシェ914および914/6
ポルシェ914および914/6

フォルクスワーゲン・パサート

パサートは、平凡な大衆車と華やかな高級車の中間に位置するクルマだ。一部の人にとっては、両方の世界を味わえるベストな選択肢となり得る。同時に、妥協の産物であるとも言える。

パサートはアウディの束縛から解き放たれるや否や(1988年のB3はデザインの名作)、アウトバーンの追い越し車線を堂々と走るようになった。B5.5は、控えめなスタイリング、スマートなインテリア、リムジンのような居住性、大きなトランクなど、パサートの素晴らしさのすべてを体現している。

フォルクスワーゲン・パサート
フォルクスワーゲン・パサート

ダイハツ・クオーレ

ダイハツが現代的なミニを作ろうとして出来たのがこのクルマ。軽自動車のミラは、海外で「クオーレ」を名乗っている。決してファッショナブルではないが、欧州車とも張り合える装備と実用性を備え、不思議なほど運転するのが楽しいクルマだった。

クオーレがミニなら、クオーレ・アバンツァートTR-XX R4はミニ・クーパーだったのだろう。660ccターボエンジン、四輪駆動、約750kgの車重、8500rpmのレッドラインというスペックから想像できる通り、兎にも角にも走るのが楽しい。

ダイハツ・クオーレ
ダイハツ・クオーレ

ボルボ164

1968年に発表されたボルボ164は、スウェーデンの同社にとって大きな挑戦であった。6気筒エンジンを搭載し、ドイツ勢に対抗する大型高級車である。1971年、ボルボ史上最もパワフルなエンジンであるフューエルインジェクション式の164Eを発表し、事態はさらに大きく動き出した。

英AUTOCAR編集部のスティーブ・クロプリ―編集長も大ファンだ。彼はこうツイートしている。「スムーズで、パワフルで、よく作られており、ラグジュアリーだ。多くの人が言うより、良いクルマ。昔ながらの長持ちするボルボでもある」

ボルボ164
ボルボ164

フィアット124スパイダー

フィアットが124スパイダーを開発した背景は、賞賛すべきものだ。1980年代以来の後輪駆動スポーツカーを、マツダロードスターをベースに開発したのは賢いやり方だと思う。

また、1.4Lのマルチエア・エンジンが、マツダの高回転型エンジンに及ばないまでも良い働きをしていることも評価できる。アバルト124スパイダーは、最高のロードスターと言っても良いかもしれない。

フィアット124スパイダー
フィアット124スパイダー

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ愛知在住。幼少期から乗り物好き。住宅営業や記事編集者といった職を経て、フリーランスとして自動車メディアで記事を書くことに。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。

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