不当に過小評価されている名車 39選 前編 魅力が伝わらなかった悲運のクルマたち
公開 : 2022.05.21 18:04
フォード・エスコートRS2000 Mk5およびMk6
エスコートRS2000 Mk5とMk6は、フォードが誇る「RS」モデルの中でどの位置にあるのだろうか?おそらく、底辺に近いところだろう。しかし、それはビートルズの名曲ランキングで「A Hard Day’s Night」を11位に位置づけるようなもので、その上には大ヒット曲がいくつもある。
オペル・マンタGTE
フォード・カプリに熱狂した英国市場では、ライバルの2ドア・クーペやハッチバックはダンスフロアの端に座らされ、タンゴを踊る機会も少なかった。FI式のオペル・マンタGTEは、ブルーオーバルのライバルを凌駕するほどの素晴らしいクルマである。それはまさに、2+2のラストダンスだった。その頃にはすでに、新種のハッチバックが頭角を現していたのだ。
ジャガー420
ジャガーMk2(マーク2)の影に隠れ、420は貧乏人のEタイプだとさえ言われている。まるでそれが「悪いこと」であるかのように。
420は、4.2Lエンジンを搭載しており、3.8LのMk2よりも優れたパフォーマンスを発揮する。リアサスペンションは独立懸架で、ハンドリングもよく、スタイリングはジャガーの真骨頂といえる。420は掘り出し物であることに変わりはないが、クラシックカーとして再評価されつつある。入手するなら今のうちかも?
オースチン・マキシ
素晴らしいクルマだったはずだ。実用性を求める家族が4ドア・セダンかステーションワゴンのどちらかしか選べなかった時代に、5ドア・ハッチバックが登場したのだ。
オースチン・マキシは、ルノー16(これも過小評価されている)に対する英国の回答だったが、1970年代の英国自動車産業につきものの品質問題により、やや中途半端な状態で出荷されていた。しかし、そのせいで本当の良さが隠れてしまうようなものではない。
シボレー・コルベア
有名な人物との結びつきが、クルマにポジティブなイメージを与えることがある。ジム・クラークとロータス・コルチナ、エルビス・プレスリーとBMW 507、レディ・ディとオースチン・メトロ、アン王女と……。
しかし、不幸なシボレー・コルベアのように、あまり好ましくない関係もある。社会運動家ラルフ・ネーダーの著書『どんなスピードでも自動車は危険だ(原題:Unsafe at Any Speed)』は、米国の自動車産業全体の問題を浮き彫りにしたが、技術的に優れたコルヴェアが非難を浴びることになった。後のデータでは、当時の同等車種と比較して危険性が低いことが判明している。