日本最大、英国クラシックカーだけのラリー 「第29回ブリティッシュ・クラシック・マラソン」

公開 : 2022.05.19 12:15  更新 : 2022.11.01 08:49

トラブルと名物の「雨」

2日目のラリーは加賀からフィニッシュポイントがある愛知県までの復路を走る。

クラシックカーが2日間で700km(自宅までの往復を考えれば1000km超えもめずらしくない)もの距離を走れば、日頃のメンテナンスをしっかりとおこなっている車両でも何らかのトラブルが起こることはあり得る。

トラブルと名物を克服してゴールを目指す
トラブルと名物を克服してゴールを目指す

だがそれらをナビゲーターと協力して、もしくは後からやってきた仲間の助けによって克服していくことも、ラリー競技の一環といえる。

ブリクラは途中からイベント名に「マラソン」の文字を付け加えているが、そこにはあらゆる手を尽くしてゴールまでたどり着くということの重要性も含まれているのである。

毎年のようにブリクラの長距離ドライブを盛り上げる名物がある。

意外に思われるかもしれないが、それは雨だ。

幌を持たない戦前車もエントリーしているブリクラの場合、雨は条件が過酷になることを意味している。

それと同時に、雨にはラリーを走破したときの喜びが大きくなる効果もあるのだ。

今年も2日目の後半は、ブリティッシュ・ウェザーに見舞われた。

時折強く降る雨の中で、すべてのエントラントは粛々とゴール地点に設定された愛知県長久手市にあるトヨタ博物館を目指し、再び集結したのだった。

日本のブリティッシュ・クラシックカー・オーナーたちの旅は続く。来年はついに30回の記念すべきラリーとなる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。フィアット・パンダ4x4/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 撮影

    奥村純一

    Junichi Okumura

    1969年生まれ。都内の自宅とヒストリックカー10台以上(!)を収める埼玉北部の倉庫ガレージの2拠点生活を実践するフォトグラファー。昨年より過疎人口減少地域への総務省の取り組み「地域おこし協力隊」として埼玉県秩父郡皆野町でも活動。ミーティングやクラシックカーイベントのオーガナイズもおこなっているマルチなヒストリックカー趣味人。

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