ケン・ブロック 過激なピンクのポルシェ912でパイクスピーク参戦 最高出力1400ps

公開 : 2022.05.19 18:05

レーシングドライバーのケン・ブロックは、レストモッドされたポルシェで6月のパイクスピークに参戦します。

クラシック・ポルシェを大改造

米国のレーシングドライバー、ケン・ブロックは、ポルシェをベースにした最高出力1400psの「フーニペガサス(Hoonipigasus)」を公開した。6月に開催されるヒルクライムレース、パイクスピークに出走する予定だ。

当初は4気筒のポルシェ912(1960年代のポルシェ911の廉価版)だったが、ブロックが所属するフーニガン・レーシングとポルシェ専門店BBiオートスポーツによって、パイクスピーク用に改造が施された。BBiオートスポーツは、パイクスピークでこれまでクラス優勝を何度も飾っている。

フーニペガサス
フーニペガサス    ケン・ブロック

約10年の歳月を経て、マシンは完全に再設計された。巨大なスプリッターと高くそびえるリアウィングが大きなダウンフォースを発生し、車体を路面に釘付けにする。また、リアのトレッド幅を広げ、後輪を後ろにずらすことでハンドリングを向上させている。リアバンパーがないため、内部構造もよく見える。

フーニペガサスには、4.0Lフラット6ツインターボがミドシップ搭載され、約1400psを発生する。四輪駆動を採用しているが、車重はわずか1000kgにとどまっている。

車高調整可能なGPSサスペンションを搭載し、ヒルクライムコースの走行地点に合わせて車高を上げ下げすることができる。

ストリートアーティストのトラブル・アンドリューがデザインした鮮やかなピンクのカラーリングは、1971年のル・マン24時間レースに出場した研究車両、ポルシェ917/20に敬意を表したもの。917/20のボディには豚肉の部位が描かれたことから、「ピンク・ピッグ」というニックネームが付けられている。

ケン・ブロックにとってパイクスピークは、2005年の初参戦以来、重要なレースとなっている。「パイクスピークは、わたしがラリードライバーである大きな理由の1つです」とブロックは語る。

「このヒルクライムで優勝したドライバーには、ウォルター・ロール、アリ・バタネン、ミシェル・ムートン、セバスチャン・ローブ、ロッド・ミレンなど、わたしのヒーローがたくさんいます」

「パイクスピークでトップレベルのレースをして総合優勝を争うチャンスをずっと狙っていました。そして、我がチームとBBiオートスポーツがこの素晴らしいポルシェを作ったのです」

ブロックは以前、動画シリーズ『クライムカーナ』の中で、フォードマスタングをベースとしたフーニコーンでパイクスピークを登ったことがあるが、総合優勝を狙うのは今回が初めてとなる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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